酒やめて、2536日
宿に着いたら飲むのは当たり前!?
一昨日、「旅と酒の相性が、どんどん悪くなっている」といった話を書かせていただきました。LCCはもちろん新幹線も、車内の雰囲気が酒を飲む感じではなくなっている。それに個人的な事情としての加齢によるトイレの近さを考えあわせると、酒を飲んで輸送機関に乗る気にはなれないのです。アル中時代は乗り鉄吞み鉄大好きで、断酒直後は列車に乗ることが再飲酒のトリガーになりそうだったのにも関わらず、です。
では宿泊施設についてはどうか、について考えてみたいと思います。誰にも頼まれていませんけど。
もちろん団体旅行で夜は宴会なんてのはもう昭和の世界で過去のものですが、ただし現時点でも宿泊施設に入ってしまえば、飲むも飲まんも自由でしょう。相変わらずビジネスホテルにはビールや缶チューハイの自動販売機はしっかり備わっていますし、これはやはり切実な需要に支えられているものだと思われます。またフロントでサービスですと言って缶ビールをもらった経験もあります。もちろん「いや、飲まないので」と言って遠慮しましたが。屈折した優越感とともに(参考「【断酒モチベーション】「お酒は飲みません」と言うと、自分が一段上の人間になったような屈折した優越感を覚えてしまいますが何か?」)。
ともあれ旅先で宿に落ち着いてからの一杯、あるいはそこから出撃するなんていうのはもちろん私もやっていましたし、格別なものがあるのでしょう。
集団生活の規律と酒はやっぱり相性悪いです
さて、昨今ではゲストハウスを利用する人も、プライベートの気ままな旅行では増えているようです。私も何度か利用したことがあります。
これはやはりビジホはじめ宿泊施設の価格がインバウンドの増加で非常に高騰してしまったことが背景にあると思われます。円安の中で、宿泊施設料金のみが諸外国基準になっています。
でもってゲストハウスというものの形態は様々ですが、ベッドルームは基本的に相部屋で(コロナの影響でなるべく相部屋にならないように配慮しているようですが)飲食禁止です。
なので飲食したければミーティングルームなどと称するパブリックスペースで行うことになります。そこでは酒はとくに禁止されてはいませんけれども、ビジホと違って酒の自動販売機は見たことがありません。
そして宴会みたいなことをしているグループは日本人外国人関係なくいるにはいますが、基本的にひっそりです。ひゃっほーしていると注意されます。
ミーティングルームにおいては、私の見た限りでは、一人でコーヒーを飲みながらノートパソコンに向かい合っている人が「主流」です。これも日本人外国人関係なく。
要は、集団生活だから個人を尊重するために最低限のルールは守りましょうよというふうになっています。そういや昔のユースホステルは酒禁止でしたね。
これって何かに似ているなあと感じまして、それは老人ホームです。老人ホームはゲストハウスより厳しいレベルで酒禁止で、集団生活と個人の尊重の両立のために酒というものは必要ない、有害であると判断されています。飲酒習慣があるとホームを見つけるのもなかなか大変だという話も書かせていただきました(参考「飲酒習慣があると、老人ホームにも入れないという衝撃の事実!」)。
今、集団と個人というものの関係が今、かなり厳しいレベルで見直されている。そうしたときに酒というのは明らかに夾雑物であるということです。何度もゆーてすまんが。
これまで、仲間内で盛り上がるために酒があった。「ウチ」での付き合いにおいて酒があったと言っていいと思います。でも今は、朝日新聞などが大好きな言葉を借りれば「共生」なることを意識せざるを得ない時代や社会状況になっており、そうした「ソト」との付き合いにおいて酒はどうなのよ、ということですよね。さらに重要なのは、これまで「ウチ」と思っていた付き合いも、個尊重の「ソト」的なものに変貌しつつある。と、ゲストハウスのあり方を見て思ったりもした次第でございます。
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