日本人と酒の関係は、歴史的転換点を迎えているのではないかという仮説。

酒やめて、1295日。

日本が抱える特殊事情とは

昨日、日本人のライフタイムと飲酒習慣は適合しなくなっているという話を書きました。(参考「日本人のライフタイムと、飲酒習慣が明らかに合わなくなっている件」)。あえて日本人の、としたのは、日本には特殊事情と言っていいものがあり、今日はその辺のところをちょっと深掘りさせていただきたいと思います。

まず、平均寿命が伸びているのは全世界的な傾向ですが、日本はとくに平均寿命が高いことで知られています。これはやはり国民皆保険が影響しているのでしょう。一方、アメリカは先進国の中でも際立って平均寿命が低く、その比較グラフが入試問題などにも出たりしますよね。今だったら、理由を書かせたりするのでしょう。よい受験生は「社会保障亡国しないため」なんて書かないでしょうけれども、(高すぎない)平均寿命と国力の関係はもっと論じられてもいいのかもしれません。

日本の場合はご存じの通り、この平均寿命の高さが地獄への道になっていますよね。

と、まずそうしたことが、①としてあるわけです。

さらに、日本は山紫水明の国で、酒つまり腐らない飲料ではなく綺麗な水がいつでも飲める環境にありました。したがって酒を飲む遺伝子を鍛えることができなかったのです(参考「日本人が勤勉である理由は「水」にあった?」)。加えて人種としてのモンゴロイドはコーカソイドよりもアルコール分解能力が低いとされています。これが特殊事情その②です。

さらに、やはり失われた30年のなか、成長する世界の国々の中で唯一と言っていいほど停滞し、また先進国の中では際立って賃金が安い国となってしまっています。これが特殊事情③ですね。

長寿化×貧困化で、アル中が増える!?

そして特殊事情④として先進国の中で際立って酒が安く、しかも簡単に手に入ることがあげられます。そのアイコンとも言えるのが、ストロングゼロですねー。

ですからあらゆる意味で、アル中、アルコール依存症とまではいかなくても問題飲酒になりやすい状況にあるわけですよ、今の日本というところのものは。

こんなことは元アル中にして断酒者の私が指摘するまでもなくわかってる人はわかっているでしょうし今さらなのですが、しかしこの事実を特殊事情として認識することで断酒モチベーションになったりもするのではないかと思われます。

もともと日本人は、先に触れたように水民族だったので、それほど酒との関係が濃密ではなかったのかもしれませんが、しかしそれでも楽しいとき悲しいときに酒とともに人生を過ごしてきたのでしょう。戦後はとくにそうですね。

しかしこの①②③④の、いわば「四苦」を踏まえ、酒との付き合い方を根本的に考え直さなければならないときに今まさになっている。そういうふうに言えるかもしれません。

そして断酒はそうした四苦から抜け出す、つまりお釈迦様が悟りを開き、四苦八苦から解脱したのと同じような意味を持つのではないかと(笑)。

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