朗報なのか悲報なのか。あのストロングゼロが生産休止らしいぞ。

酒やめて、1196日。

企業メセナの象徴!? サントリーホールhttps://www.suntory.co.jp/suntoryhall/

緊急事態宣言の大部分解除(予想)を受けて今まで止まっていた仕事が急に動き出し、明日からの多忙が予想されるので、病院で順番を待つ間にブログを3本書き溜めていたところ、断酒友のぽんちゃんから衝撃のニュースがもたらされました(といっても二日前のニュースですね。私は全然知りませんでした)。

それがこの項のタイトルなのですが、これについて触れる前に、病院に行った話を先にさせてください。断酒とも関わり、あるいはご参考になる点もあるかと思いますので。

サントリーは企業メセナの象徴だった!

病院は脳神経外科で、どうもここのところ一週間ぐらいこめかみがぴきぴきしていたのです。いかにもここだけ血管が詰まっていて、いつ破けてもおかしくないぞといった感じでした。私の年齢だとやはり脳梗塞は非常に怖いです。死ねればいいけれど半身不随になったりしますからね(参考「断酒して医療費削除という隠れ金脈を掘り当てた件」)。しかも同級生が脳梗塞で倒れたという話もポチポチ聞きます。

それで病院に行ったのですが、結局脳には異常がなく、こめかみの筋肉がヒクヒクしているんだろうとのことでした。ちょうどその下の部分の歯が治療中で、ただ自粛要請で歯医者から「来んなよ」と言われストップしてしまい、それが影響しているのではないかということでした。

一応、念のためにCTを撮ったのですが、これがですね、三年ほど前にCTを撮ったときにあった動脈硬化の影のようなものがすっかり消えていたのですよ。断酒効果というやつなのでしょうか。もちろん因果関係はわかりませんが、断酒すれば動脈硬化が消えるというオンリーワン・エビデンスがここに確立しました(笑)。

さて本題です。サントリーがコロナ危機を受け、ストロングゼロなど缶チューハイの生産を一時中止し、その分の原料アルコールを消毒用アルコールに回し、それを生産すると発表しました(参照「サントリー「絶好調のチューハイ」休売する事情 数量不足が深刻な消毒用アルコールへ転用」)。へー転用できるもんなんかとの感想も抱いてしまいますが、とりあえずそこは突っ込まずにおきます(笑)。

で、我々の年代の多くは、サントリーだけに、たぶんこんな感想を抱いたのではないかと思われます。

これ、企業メセナみたいなもんやん。

80年代のバブルの頃、企業が文化芸術活動のパトロンになることが流行りました。それを企業メセナと称していました。企業は利益を追求しそれを通じて社会貢献を行うというそれまでのやり方から、直接、文化芸術活動に関わったのです。ちょうどその頃、DTPというものが出現し、それを評して「グーテンベルグ以来」と言われましたが、その伝でいけば「アダムスミス以来」でした。DTPと違って、残念ながらメインストリームにはなりませんでしたが。

その最先端ともいえる企業がサントリーで、象徴が今でもあるサントリーホールですね。

何しろ当時、大手広告代理店ではサントリーの担当になるのがエリートの証とされていたらしいのです。そしてトヨタ担当になるとある意味「左遷」だったとか。今じゃ考えられないですよね。

今回、そのサントリーが、文化芸術じゃないけれども社会貢献ぽいことをしたわけです。サントリーらしいといえばサントリーらしいのですが、ただバブル以降のサントリーはそうしたサントリーらしさを完全に失っていたような気がします。

酒造メーカーが「変わる」きっかけになるか

バブルよりももっと古い話をすれば、日本の男にストイックなダンディズムを提唱した山口瞳さんは、サントリーの『洋酒天国』というPR誌の編集をやってました。そうした遊び心(死語)ベースの表現活動を許容する企業風土がサントリーにはあったのです。

そう考えると今、ストロングゼロを造り、そのストロングゼロのキャンペーンとして現金当たる肉当たるをやっているサントリーは別の会社のようでもあります。

さて、断酒ブログ的には、ストロングゼロは敵役(?)としてPVアップに貢献してくれました。ストロングゼロの記事はよく見ていただけるのです(笑)。たとえばこれとか。

社会的に見てもストロングゼロは、人生が辛ければ辛いほど美味しいとか、もはや福祉であるとか、底辺汁などと言われ、悪目立ちしていた部分もかなりあります。そして9%RTDアルコール飲料の弊害がクローズアップされるにつれ、規制されるのではないかなどとも噂されていました。そこに先手を打ったようなかたちですね。今回の一時生産休止は。この先どうなるか分かりませんが。

だだし、これに先立ち沖縄のオリオンビールは9%飲料を生産中止してますので、あるいは、とも思います。

断酒友は常々、サントリーのような酒造メーカーは「底辺汁」ではなく高級酒に特化するべきであり、そういう方向に国の施策も向かうのではないか、と予想していました。

つまり本ブログでも何度か取り上げましたが、「ジン横丁」的な酒、人生の辛さから逃げるための酒を提供するのではなく、「ビール街」的な酒、人生を豊かにする酒を提供すべき、ということです。ストゼロはまさに「ジン横丁」な酒ですもんね(参考「「ジン横丁」に描かれた18世紀のイギリスに、今の日本があまりにも似てきていてヤバいんじゃないかという件」)。

そしてここで思い出すのは、ルイ・ヴィトンやエルメスがマスクをつくって社会貢献活動していることです。女性の方だったらご存じの通り、ルイ・ヴィトンは、酒造メーカーのモエやヘネシーとLVMHという、セレブ御用達コングロマリットを形成しています。

サントリーの今回の社会貢献は、サントリーがLVMH型企業に進化する予兆のような気もしますが、いかがなものでしょうか。まあ断酒者的期待を込めて、ですけど(笑)。

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