電車と酒は手に手をとって走ってる……はずだったけど、最近様相が変わってきた?

酒やめて、1082日。

私は子どもの頃から電車が好きで、今でも鉄道に乗るのが大好きです。で、飲酒時代、鉄道に乗ったらどうしていたかというと、そうアレです。プッシュ! ってやつです。「呑み鉄」という言葉もありますしね。とにかく私のなかでは、鉄道に乗ることと飲むという行為は完全に一体化していました。

昔は「乗ったら飲む」が常識だった

古来から鉄道は、昼間から堂々と飲める環境を提供してきた、という面は確かにあったと思います。昔は特急やグリーン車じゃなくても、飲みに適したボックス型のシートでしたし。

ただし、同じ設備の車内でも、東海道線の電車のなかでは堂々と飲めるけれども、横須賀線の電車のなかでは憚られるなんて話もありました。そういう雰囲気があるのだ、と。このあたりは「サーフィンの湘南西」「ヨットの湘南東」とも通じる部分があり沿線文化論としてはとても興味深いのですが、それはそれとして、そもそもこういう話が出てくる自体、「乗ったら飲む」が常態化していた証拠でしょう。

よく飲酒を誘発する要素に「HALT」という言葉が使われます。「Hungry」「Angry」「Lonely」「Tired」ですね。確かにそうだと思いますが、ここに私の場合、もうひとつの「T」、「Train」を加えたい。それほど電車に乗ると飲みたくなってしまいます。断酒した今、新幹線に乗ったりするのが一番ヤバいです。

飲まないロマンスカーの一方で、駅ストロンガーも

昔は出張に行くときに新幹線に乗ると、朝からでも仕事前でも飲むのが当たり前でしたからね。馬鹿です。出張なら許されると思っていました。

当然ながら、帰宅時も飲みたいわけです。それで、ずっと手前に住んでいるのにもかかわらず、小田急線ロマンスカーに乗って、飲みながら町田まで行って引き返すなんてことも結構ありました。馬鹿です。

ただ言い訳すれば、80年代はじめに『金曜日の妻たちへ』(ロマンスカーが出てくる『金妻Ⅱ』第ニ・三話)という大ヒットドラマがあって、それにも帰宅時のロマンスカー飲みシーンがよく出てきていました。ロマンスカーに乗ったら飲むは、日本の常識だったのです。

ところが、です。最近、小田急新宿駅で何気にロマンスカーを見ると、帰宅時でも飲む人ってすごく少なくなってるんですよ。仕事帰りにロマンスカーに乗ったら即ビールやろ~とご推測申し上げるのですが、案外そうでもない。プッシュ! してる人は満員でも一両に一人か二人です。細かいことを言えば、ロマンスカーには一両の長さが長いの(車体の色が朱・青・銀・茶)と短いの(白)があるのですが、長いの(分母となる定員が多い)でさえそんな感じです。

また一昨年、東急大井町線に座って帰れるタイプの「Q SEAT」というものが現われましたが、これなんかも飲んでもよさそうなのに、まあ見事に飲んでる人を見ません。東京が世界に誇る(?)せんべろタウン大井町と溝の口を結んでいるのにも関わらず、です。

東急大井町線Qシート。呑み鉄環境ではあります。「鉄道新聞」より

おおっぴらに飲める環境と認識されていた鉄道でさえも、酒が衰退しているんですかねえ。エビデンスは私の目撃談だけで恐縮ですが。ただ、鉄道も公共の場と認識され、公共の場では飲まないという意識がだんだんと高まっているのかもしれません。

そうはいいつつ一方で、通称「駅ストロンガー」、駅でストロングゼロを持って座り込んで飲んでる人をよく目撃するようになっています。やはり二極化、なんでしょうか。

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