高血糖はじわじわと身体を蝕むが、低血糖は死をごく身近に感じさせてくれるよという話。

酒やめて、1042日。

デザート

なぜ人は、食後にデザートを食べたくなるのか。皆さんはこのことについて考えたことがあるでしょうか。これは、血糖値というものに関係しているそうです。食事をして血糖値が上がる。それを抑えるために、すい臓からインシュリンが放出される。そうすると身体は低血糖に傾く。それをカバーしようとして、脳は甘いデザートを摂れと指令を出す……。

高血糖以上に低血糖は怖い!

このようなメカニズムを確認すると、なにか違和感を覚えませんか。それってマッチポンプやん、人間の身体ってそんなにアホなの? と。

さて昨日、断酒友のブログを読んでいたら、低血糖について書いてました。ちゃんと医学的な知見に基づいています。彼の場合、断酒者にありがちな就寝前の乱れた甘味摂取(笑)が原因で、一時的な夜間低血糖になってしまったのだそうです。

で、低血糖のことなら俺やろ俺は低血糖のオーソリティやでーという単純な対抗心(?)で、この記事を書いているわけです(馬鹿)。なにしろ以前にも触れましたが、私は低血糖で倒れたことが断酒のきっかけになっていますから。威張ることじゃありませんが。

どういうことかといえば、私の場合、長年の飲酒で肝機能が低下し、血糖をコントロールする力が限りなく低くなっていたのですね。そして、酒飲むときはあまり食べないタチだったので、血糖を上げる機能を酒が担うという特異(?)体質にもなっていた。そこへもってきて、酒も飲まずに飯も食わずに徹夜仕事をしていたら、血糖値が急降下してしまったという次第です。

高血糖は良くないなどとよく言います。低血糖の弊害は、それに比べるとあまり語られません。しかしひとつ言えるのは、血糖値が高いと身体が徐々に蝕まれますが、低血糖は一気に死を迎える危険もあるということです。

そこで素人考えではありますが、冒頭に書いた“身体のマッチポンプ”も、身体が本能的に低血糖を怖がるからこその過剰反応なのではないでしょうか。「すぐ死ぬ」のは、高血糖よりも低血糖です。

酒による低血糖は「みっともない自分」を存分に見せてくれるよ!

このあたりのことは、医師から聞いたことと、自分で調べたこと、そしてなによりも自分の体験をもとに書いていて、医学的な裏づけがあるわけではありませんが、そんなに間違ってないと思います。

私も低血糖で倒れたときは、おそらく死ぬんじゃないかと思いました。身体的に辛いとか痛いとか苦しいとかではなく、なんというか死の世界が迫り来る本能的な恐怖があるのですね。いやいやいやいや、これにはマジでうろたえましたよ。よくアル中者で、というか単なる酔っ払いレベルでも、俺なんかいつ死んでもいいんだ酒で死ねれば本望だなどとイキっている人がいるじゃないですか。もちろん私もそういうカテゴリーの中心にいたのですが、しかしいざ死ぬとなると、死ぬのは怖い死にたくないですどうか死なせないでくださいと、もう身も蓋も、人間の尊厳もなにもなく(もとからないけど)必死で思います。

そんなふうに低血糖というものは、「死」を見せてくれる。それとともに、「死をみっともないほど怖がる自分」「酒飲んで死んでもいいとイキっていたみっともない自分」を見せてくれる点が怖い、と。そしてその要因は、一にも二にも酒による肝機能低下にある、ということを、ここできちんと確認しておきたいと思います。酒やめてよかったわ。これからは、なるべくみっともなくなく生きよう。

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