断酒の最大のモチベーションになっているものを、あらためて今、考えてみる。

酒やめて、1173日。

歴史上、バカな王様の典型とされるジョン失地王。http://check.weblog.to/archives/2101911.html

このブログでも何度も書いて来ましたが、私が酒をやめた直接のきっかけは、低血糖で倒れたことです(たとえば参考「高血糖はじわじわと身体を蝕むが、低血糖は死をごく身近に感じさせてくれるよという話」)。しかしそれが断酒を続けられている最大の要因ではありません。

人生「上がり」で飲酒要求!?

よくいるじゃないですか。「やっぱり健康のために酒やめなきゃ(減らさなきゃ)」とか、なぜか上から目線で言ってくる人。

でも断酒をしている人、これから断酒したいと思ってる人、あるいはアル中でもうどうしようもない人(昔の私)にとっては、このような指摘って、まったく見当外れな感じがするのですよ。

健康のために酒やめるなんて、アル中はまったくそんなこと考えていません。

いや、もちろん健康は大切です。それは人生でことを成すために必要ですし、そして最大の節約です。リンボウ先生もそうおっしゃってます(参考「節約すると貧乏になるという説を、断酒とからめて検証してみた!」)。ただ、先ほどから私が申し上げているのは、闇雲な健康信仰に基づく上からのご忠言に対しては、アル中→断酒者としては、抵抗したい思いになるということです(ま、それもアル中の一局面かもしれませんが)。

ではなぜやめるのか。なぜ断酒を続けるのか。私の場合、倒れたことはあくまでもきっかけであり、そこで考えたのはやはりこのまま飲み続けていたら社会的に死んでしまうということですね。あるいは時代が変わっているのに、このまま飲んでいると社会や世界から取り残されてしまうという、ある種本能的な危惧もありました。その辺のところはここに書かせていただきました(参考「酒やめて、新しい時代に踏み出す勇気がわいてきた!」)。

そういう社会的な理由で、あるいは時代の要請でやめたということを自分にあらためて言い聞かせるために、あるいはどなたかのご参考になればと思いこのブログを書いてきたのですが、ただ現在の私は、そのように社会的な理由で酒をやめる必要があるのかと言えば、立場的にはそうでもなくなったなあとは感じています。

というふうに書くと、お前、再飲酒する理由を探してるやろ~と思われるかもしれませんが、そういうことでもないのです(笑)。

社会的に飲んだくれていても構わないだろうという人はいます。たとえばここ(参考「僕らにはもう「アル中になる自由」がない」)に書かせていただきましたが、昔のリタイア組は、毎日朝から飲んでいても別に問題はなかったのです。早めに死ぬだけです。まあチャーチルのように、一日中飲んでいて90歳まで生きた人もいますが。チャーチルケースは個別事例にも関わらず、よくアル中が飲んでもいいエビデンス(笑)として持ち出しますね。

で、実際今の自分を考えてみると、昔のリタイア組まではいかないにしても、少なくとも飲酒時代よりもそれに近づいてきたとは思っております。

一番大きいのは、子どもが独立して、学費その他のお金がかからなくなったことです。人生、ある意味「上がり」ということです。もう一つはコロナによって先行き非常に不透明になってしまったので、とりあえず仕事場を引き払い固定費をなくしたことです。またローンの類があるわけでもないので、とりあえず、これまでのように酒も飲まずしゃかりきに働かなくても最低限生きていけるというメドが立っています。

というわけで、実は酒やめたときにまあこういうふうな状況になったらもう一回飲んでもいいかなあと思っていた「地点」に一応、到達したわけです。

お酒飲み続けてと「バカ」になっちゃうよ!

で、ここからが言いたいことなのですが、今、飲みたいと思わないです。

まず大前提として、「断酒を続けている」というセルフエスティームがあります。受験ほかの成功体験がきわめて少ない人生だったので、断酒しているという事実が、もしかしたら人生最大の成功体験かもしれません(情けない話ですが)。だからこそこれを大切にしたいし、生きていく基盤にしたいのです(このブログを書いているのもその一環ですね)。

ともあれ、それが大前提としてあります。

その上で、誤解を恐れず言うのなら、「バカにはなりたくない」という思いがあります。

この場合の「バカ」は、「馬鹿を見る」の馬鹿ではなく、単純に脳の性能が低下することです。

そう。ぶっちゃけて言えば、酒ばっかり飲んでるとバカになっちゃうのですよ。この辺は医学的にも証明されていて、長年の飲酒習慣は、一回一回は普通の飲み方でもだんだんと脳、とくに前頭葉を萎縮させていきます。

で、私のような元アル中だけでなく、普通の人もそうでしょうけども、バカになって生きていたくないのです(馬鹿なことはしたいけど)。そして私などはアル中歴が長いので、かなり脳が損傷されていると思います。なのでもうこれ以上バカになったらかなりヤバいです。

そしてバカって、世の中で一番ダサいじゃないですか。

コロナ騒ぎで、薬局などでマスクがないと怒鳴ってる老人も、脳が萎縮してます(参考「「キレる老人」には、やっぱり酒が関係していた!?」)。だからここで言うところの「バカ」であり、なによりも超ダサいです。

ということで、「アル中→断酒者」の立場から先輩がましいことを言わせていただければ、酒は危険ドラックほどじゃないにせよ徐々に脳を蝕みます。ですから、若い人は今のうちにやめてると、10年後20年後でもほんとに大きな違いになってくると思いますね。

「バカ」になりかかっていて、なんとか断酒で踏みとどまっている(のだろうか?)私としては、マジでうらやましい限りなのです。

逆に言えば、私も20年前に酒やめてれば、どんなだっただろうなあと人生やり直したくなります。ま、詮ないことですが(苦笑)。

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