老いと貧困と酒は、手に手を取ってやってくる。

酒やめて、1071日。

老いと貧困と酒

お金がないお金がないと言わないほうがいい理由

「お金がない」「お金がない」と言わない方が良い、とは、お金の教科書的な本に基本のキとして書いてあることです。そこでは、「お金の神様に嫌われちゃうよ」といった心構えの問題から、周りへの心理的影響がもたらす不利益までさまざまな理由が解説してあります。ただ私は元アル中者として、そして断酒者として、あまり書かれていない別の理由もあると考えています。もちろん、ここに飲酒習慣ということが絡んできます。

実は私の周りにも一人、いつもお金がないお金がないと言っている人がいます。にも関わらず、週に二回は飲みに行くと公言しています。つまりこの人の場合、「お金がないことを周囲に表明」×「週に二度、外飲みしていることを周囲に表明」状態であるわけです。このふたつが「×」になっていることがポイントです。

彼が、他人からのゴチを期待してそう言ってるのかというと、それはないです。率直に「お金がない」を表明しているだけでしょう。そうであっても、周囲はあまり気分のいいものではありませんし、誰も幸せにしません。でもそれもたいした問題ではなく、別のデメリットもあります。

そのことを話す前に、一つ、そのおっさんに関するエピソードを語らせてください。

あるとき、金ないおっさんに、私は何気なく「〇〇が▲▲に変わりますねー」と言ったわけです。ま、あまり具体的に書くと身バレしてしまうんで、この程度のあいまいな書き方になってしまいますが。そうすると、金ないおっさんは「んなわけねーだろー。〇〇が▲▲になるなんてあり得ねえ」と、まあ私からすれば必要以上にいきまくわけです。私はその「情報」を業界に関する雑誌で得ていたのですが、とくに反論もしませんでした。単純に面倒くさかったからです。

そして、金ないおっさんにはそういうインプットがなかったのですね。私は思いました。ああ、自由になる金は酒に全部使って、お金のかかる情報インプットはしてないんだな、と。自分が関係する業界にも関わらず、です。もちろんネットで検索すれば出てきますが、それは自らその事実に疑問を抱いて行動したときのみで、情報を一般常識としてインプットするにはネットは不向きです。

と偉そうに書いてきましたが、かつての私も同じでした(笑)。

金の使い道が酒だけという危険

酒に溺れると、とにかくお金の使い道が酒だけになります(参考「酒ばっか飲んでると、行く店もモノラルになり経験値が低くなっちゃうよ!」「「一せんべろ」「二せんべろ」という金銭感覚の怖さ 」)。そして酒好きの人間が恒常的にお金がないお金がないと言っていると、こいつ酒以外に金使ってないな、と周囲の人にバレバレになるわけです。

実はこれ、すごく怖いことなんですね。「金がない+酒を飲んでいる」は、私は金は全部酒に使って仕事に必要なインプットをまるでしてないですということを周りに宣伝しているにほかありません。

今、例の二千万円問題もあり、齢食ってからも働かなきゃいけない状況にあるわけです。我々世代は。そうすると、現役時代と同じような仕事がしたいと思えば、常にインプットしていなくてはならない。そうじゃないと、繰り返しますが、あいつは酒ばっか飲んでろくにインプットできてない、だからろくなアウトプットもできないだろうと仕事の発注主を含めた周囲に認定されてしまう。そうすると……、仕事をするにしても自分のキャリアを生かせる仕事、プライドを保てる仕事なんかできず、別の仕事に就けば自分の子どもほどの齢のマネージャーに怒鳴られる、なんてケースも十分想定されますし、収入面でもなかなか難しいものがあるでしょう。

そう考察(?)を進めていくと、やっぱり老いと貧困と酒は手に手を取ってやってくるんだなあという結論に至ってしまうのです。「貧困」と「酒」の関係については、飲酒習慣は単純に経済的にダメージを与えるだけでなく、上述したように、仕事への風評影響をもたらし、それがさらに経済的苦境に追い討ちをかけます。「老い」ればなおさら、ですよね。

酒やめてよかった。

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