「リア王症候群」に陥らないために。酒やめるのも一つの方法だというご提案。

酒やめて、1279日。

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もう「リア王」にはなれない状況です!

「リア王症候群」というものがあります。教育学者の齋藤孝氏が提唱したものです。「ピーターパン症候群」と対比されるかたちですね。

では『リア王』とは何かといえば、ご存じの通りシェイクスピアの四大悲劇のうちの一つです。

老いたブリテン王であるリア王が、長女次女二人の娘に国を譲るものの追放され、フランスに嫁いでいた三女の助けを借りて失地回復を図ろうとするがかなわず、失意のうちに死ぬという物語です(個人的には読んだこともなければ観劇したことももちろんありません)。

これは不条理さを描いた「悲劇」だとされています。高校の教科書に載っていた中島敦の『山月記』と同じですね。

ただし、リア王は頑迷でわがままで気まぐれで、要は老害なわけですよ。つまり老害ゆえに自らの身を滅ぼしたという現代的な解釈も成立しそうであり、因果応報物語ですね。そして齋藤先生の「リア王症候群」はこの解釈に基づいているものでしょう。要は皆さん、リア王にならないようにしましょうね、ということです。その方法が著作『リア王症候群にならない』で述べられています。

まあでも言うてもリア王は王様ですから、老害が許されるといえば許されるのかもしれません。しかし現代を生きる一般社会人は、老害になることが許されません。

このコロナ禍で老害の弊害が社会のいろんな局面で顕在化し、そして社会全体に、それに対してもう許すまじという気分が醸成されているのは事実でしょう。今後、老いていく我々世代にも、どのような災難(=社会的制裁?)が待ち受けているかわかりません。

考えてみれば昔は、老害であってもそれが許容されてたんですよ。なぜかというと老害になるまでにみんな社会的責任は果たしていたし、いつも書いてるように楽隠居できていたので、社会との接点があまりなかったからです。しかも平均寿命も短かったので顕在化しなかったのですね(参考「僕らにはもう「アル中になる自由」がない」)。

ところが今や平均寿命が延び、なおかつ齢をとっても社会との接点を持つようになっています。そして今後は「死ぬまで働け」の時代になるでしょうから、ますます老害になることは許されない社会になっていくのです(参考「ついに政府による正式な「死ぬまで働け」宣言キター! ほんとに酒飲んでる場合じゃありません」)。

酒は二つの意味で、老害化を促進する!

では、なぜ老害化するかといえば、やはり加齢に伴い前頭葉が萎縮していくからですよね。

ちなみに齋藤先生は教育学者ですが、いわば文系脳科学者といっていい存在ではないでしょうか。ずいぶん前に私は講演を聴きに行ったことがありますが、確か学習と定着についてがテーマで、前頭前野という言葉をそこではじめて知りました。かなり理系に踏み込んだお話をされていたように記憶しています。だからその著作も説得力があります。

さて、このような老害化に拍車をかけるのが当然ながら酒です。長年の飲酒習慣が脳を萎縮させることはもはや常識となってきました。酒には老害化促進作用があるわけですね。そして繰り返しますが楽隠居にはなれないから、加齢は仕方ないにしても、さらに酒で脳を損傷するわけにはいかないのです。

もうひとつ、飲酒習慣が嵩じてくると、俺は適正飲酒だとやたら主張するようになります。これは他人に対するアピールと同時に自分に対しても言い聞かせているのです。

ヤバいのは、「適正」の「正」が思考のすべての分野に及び、これもいつも書いていて恐縮ですが、自己正当化が習い性になり、どんなことでも自分が正しいと思い込みます。まさに「老害」の思考パターンです。皆さんの周囲にもいるのではないでしょうか。

つまり酒は二つの意味で老害と密接に結びつくわけですね。老害になることが許されないご時世、やっぱり考えたほうがよさそうです。

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