酒やめて、1976日。
新破産者マップなるものが出現しましたが
ずいぶんと前にアル中と破産者マップの関係について書かせていただきました(参考「アルコール依存と多重債務、どっちがよりヤバいか?」)。この破産者マップですが、新破産者マップとしてまたぞろネット上に出現しているようです。私は『週刊ポスト』の記事で知ったのですが、弁護士のコメントとして「官報掲載の公表情報といえども、破産経験は社会的評価を下げる事実であり、これをウェブで拡散することはその人の名誉を毀損し」といったものがありました。まったくその通りだと思いますよ。
と、話が前後しましたが、破産者マップとは官報に記載されている自己破産者の氏名住所を地図上にピンマークしたもので、今回の「新」はそれを除去するためにビットコインでの支払いを要求するという犯罪まがいのものになっています。まあ早晩、何らかの対策がとられて消えるでしょう。
ただ、先の弁護士のコメントにあったように、そのようなものが世の中に出回ると、名前を出された人は少なからず不利益を受けます。そして実はアル中も同じです。
私などは「あいつはアル中だ」と吹聴(拡散)されまくっていたので、やはり不利益を被りました。たぶんそれで失くした仕事もあったと思います。
以前にも書いたことがありますが、あまり付き合いのないような人から「アル中なんですってねー」と唐突に言われたりするんですよ。「あ、やっぱり手とか震えちゃうんですかあ?」とか。そんな冗談みたいなことが出来していました。
「アル中」は興味の対象であり、道徳性優位確認の材料なのだ(悲
そのように訊かれるということは、世の中の人はアル中の実態に興味があるんですよ。で、吹聴している輩は、吹聴することで自分の道徳的優位性を確認しているのだと思われます。つまりここに、「興味」×「道徳的優位性(の確認)」が起こり、理不尽にもアル中が被害を被るというわけです。
ただ、このブログでもさんざん言及してきましたが、アル中は病気です。そして病気というものは、ガンの「宣告」が「告知」に言い換えられたことが端的に示す通り、きわめてセンシティブに扱うべきマターです。にも関わらず、簡単に「興味」の対象になり「道徳的優位性の確認」材料になる。なーにが「やっぱり手震えちゃうんですかあ?」だよ、まったく。えー震えますよ震えます。それが一杯飲めばピタリと収まるんですねーこれが、なんなら今からあなたの顔剃りでもして差し上げましょうか、とでも言ってやればよかったです。
とまあ、まったく軽く扱われる。むろん冒頭の自己破産に比べても、です。自己破産した人を「興味」の対象にしたり「道徳的優位性の確認」に使ったりは普通の社会人はしません。でもアル中はそうなっちゃうんですね。
もーこりゃめっちゃ損ですよ。そして社会が守ってくれない以上、自分で守るしかない、と。こういうことになるのではないかと。
ただその一方で、アル中を克服したということは、ハリウッドセレブなどを見ればわかる通りめちゃ評価されます。日本ではそこまではないですし、別に私が評価されているわけじゃないですけれども、ただ、自分で自分をめちゃ評価しているので、別に誰からの評価も必要ないです。
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