教養高く、ハラスメントに気を遣って酒を飲む。これって考えてみればチョー大変ですよ。だったら……。

酒やめて、1143日。

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アグネス事件は「居酒屋研究」まで影響!?

以前、アル中にとっての三大聖書について書かせていただきましたが(参考「壇蜜さんのお相手とアル中の意外な関係とは?」)、これらはアル中にとってのアイドルであるところの故中島らも氏、故吾妻ひでお氏、そしてまんきつ氏が著したものです。そうではなくて単なる酒好きにとってのアイドルは、やはり太田和彦氏と吉田類氏になるのではないでしょうか。

その太田和彦氏を世に出した作品が『居酒屋大全』です。もともとは第一期『デイズジャパン』に「居酒屋研究会」として連載されていたものです。

第一期というのは、デイズジャパンは一度廃刊になり復活したからです。そして「居酒屋研究会」が連載されていた第一期デイズジャパンは、アグネスチャンとの揉めごとで廃刊に追い込まれました。

私は飲酒者、居酒屋好きとして太田和彦氏の連載をむさぼるように読んでいたので(当時は居酒屋評論、居酒屋文化論なんてなかったので画期的だったのです)、こんなことで廃刊になったのは非常に残念であり、ですからそれと同じ時期に林真理子氏や中野翠氏が展開していた「いい加減にしてよアグネス」論には、まったくもって共感したのでした。

そして第二期デイズジャパンは、編集長であった広河隆一氏の性暴力問題で廃刊になりました。あの事件で示された広河氏の傲慢さは、あの年代の「センセイ」と呼ばれるジャーナリストの典型を見るような思いがします。実際、ああいうタイプ多いです。

それはともかく太田和彦氏の『居酒屋大全』です。

そこには、各業界ごとの飲み方というか酒の上での話題が記してあってとても興味深いものがあったのですが、呑んべえの話題はといえば、「ん、この丸干し、ちょっとかたいな」みたいなものだそうです。

今や、酒飲むのもいろいろ大変だ!

いやこれはねー、ほんとに共感できるんですよ。私も飲酒時代、飲み友とまさにそんな話しかしてませんでしたから。我々はもうちょっと踏み込んで(?)「あそこの店のホッピーのナカはジョッキ八分目まで注いであるんだぜえ。神だよ神!」とか「六本木のスクエアビルにあったディスコの名前、上から順番に全部言える?」みたいなことです。完全な馬鹿です。

翻って今、ビジネスや社交の酒の席での話題も高度なことが求められています。といったことも以前書かせていただきました(参考「飲んだくれていては、「教養の時代」を生き抜いていけない!?」)。教養分野での話題というものが必要になっているわけです。絵画だったり文学だったり歴史だったり、あるいは哲学(!)ということです。話題が「お、今度の『東京カレンダー』の表紙は新木優子か。いいよなあ」みたいなものだと軽蔑されるそうです。いわんや「あそこの店のホッピーのナカは……」では、ですよね。

つまり極端な話、酒を飲むにも勉強が必要だということですよ。うわーめんどくせー!

一方で、各種ハラスメントに対しても非常に厳しい目が注がれています。とくにセクハラの類ですね。もちろん多くの人は広河センセイとは違って、性的なことをしたり言ったりはしてないでしょう。ただしたとえば割り勘をどうするのかということでも、セクハラ認定されたりするそうですから油断なりません。「じゃ男だけで頭割り」とか「男は5000円、女性は3000円ね」もNGなんて話も聞いたりします。めんどくせー!

つまりですね、酒の上での教養もハラスメント規制も、酒に極めて強い欧米人基準なんですよ。彼らは酒に飲まれないから、普段と同じように会話でき、さらには教養というものをクラスの高さを確認しあうためのプロトコルにしてるわけです。これはこれで超嫌味な話ですが。で、酒に飲まれやすい日本人にこのルールを適用されると、超めんどくさくなります。

グローバル化やそれに伴うハラスメント規制の強化とともに、社会のルールがどんどん厳しくなっています。そして当然それは酒の席にも適用されます。酒の席でのルール違反で社会的な命を失うリスクがどんどん高まっているのです。そういうことを考えながら飲むのもほんとに大変です。だったらすっぱりやめてしまうというのも一つの選択肢ではないか、と(笑)。

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