酒やめて、1442日。
微アルコール入りノンアルコールビールは悪魔の使途か
ここにきて我々断酒者の敵軍――すなわち酒造メーカーが攻勢を強めています。とくにアサヒビールですね。今後、立て続けに新機軸の商品をリリースします。
一つは「アサヒスーパードライ生ジョッキ缶」です。断酒ブログなのにこのようなニュースを紹介するのもナンなのですが、一応これ(ティーザー広告)です。なんでも缶のふたを開けると泡が自然に発生するという日本初の手法を取り入れた製品だとか。興味深いです。
この「アサヒスーパードライ生ジョッキ缶」はなにしろビールですから断酒者とは関係ない存在なのですが、問題は「アサヒビアリー」というアルコール分0.5%のビールテイスト飲料ですね。これ(ニュースリリース)です。
アサヒビールがこのような新機軸の商品を開発してきた背景には、やはりコロナの影響があるでしょう。アサヒはスーパードライに特化し、キリンやサッポロなどよりも飲食店需要が大きいそうです。この部分がコロナで大きく削られてしまったために、その危機感からこうした商品を打ち出してきたのかもしれません。断酒者が考察するのもナンですが。
実は私は「アサヒビアリー」のことを、私がTwitter上で勝手に断酒仲間認定させていただいているMJ@断酒で人生好転中さん(ブログ「MJ BLUE BLOG」)の記事で知ったのですが、MJさんも警戒していますね。
「アサヒ ビアリー」
これはマジで要らない。『社長は「これまで、お酒を飲める人を中心とした商品を展開してきたが、これからは飲めない人やあえて飲まない人の潜在ニーズを掘り起こしたい」と語った。』
酒のない世界に土足で入られる感じ💧#Twitter断酒部 #断酒 #禁酒https://t.co/8paEVurhtj
— MJ@断酒で人生好転中 (@MJBLUE6) January 8, 2021
そしてこの「ビアリー」リリースのニュースに接したとき、私はある種の感慨に打たれたのでした(大げさ)。
日本でノンアルコールビールを一般的にしたのは「キリンフリー」でしょうが、これは0%だったのですね。ノンアルコールビールだから0%は当たり前と考えられがちですが、それまではそうでもなかったのです。
「キリンフリー」が出た当時、当然のように私はアル中でしたけれども、ノンアルコールビールには多少なりとも興味がありました。たまにはこれ飲んで飲酒欲を抑えられないか、ということです。その時によく購入していたのが、「テキサスセレクト」という0.5%のノンアルコールビールです。今、調べてみたら、休売になっています。なにか事情があるのでしょうか。
このテキサスセレクトですが、通常のビールの製法でつくり、最後にアルコール分を抜くという、今、日本で流通しているノンアルコールビールとは異なった製法でつくられていました。そして今回の「ビアリー」は、どーもこのテキサスセレクト製法と同じらしいのです(間違っていたらすまぬ)。
この製法のいいところは、いわゆるノンアルぽくない、よりビールに近い味がする点です。テキサスセレクトをときどき飲んでいた私の経験でいえば、確かにそのようでした。
アルコール分は問題ないとは思いますが……
問題は、ですね、このような「ビアリー」を断酒者がビール代わりに飲んでもいいものなのかどうか、ということです。ひいては、0%のノンアルといえども再飲酒の呼び水になるという危険性も指摘されているが、それは本当なのかどうか、ということを考察してみたい、と(大げさ)。
結論から言えば、もちろん「人に拠る」です。ですから、以下はまったくの私の個人的な経験と個人的な意見です。それを大前提として、エッセンスをくみ取っていただき、断酒にお役立てくだされば幸いです(汗)。
で、私のことを言えば、まず0.5%というアルコール分については、それだけを考えればまったく問題ないと思います。断酒してしばらくは、アルコール分0.8%のホッピー(のソトだけ)を飲んでいましたし、今でも、飲み会などではときどき頼みます。まあ、飲んだ気分にはなれますが、ただ、じゃそこから再飲酒するかといえば、まったくそんな気にはなりません。
ノンアルコールビールも同じですね。再飲酒の呼び水にはなりえません。繰り返しますが、あくまでも私の場合、です。
私が思うに、アルコール分1%以下とかならば度数はあまり関係ないのですよ。それよりも味や匂い、その飲料が持つ雰囲気、後は飲むシチュエーションですね、そうしたものが飲酒時代の残滓と結びついたとき、再飲酒のきっかけになるのでは、と愚考する次第です。なにがきっかけとなるかわからない以上、ホッピーも含め手を出さないという選択は当然あると思います。
でも、もしビアリーやホッピーを含めたノンアル飲料が食事のときにビール代わりに飲めれば、それは食事のスタイルが酒飲みと同じになりますから、そのスタイル自体が再飲酒の呼び水になるというリスクをはらむ一方で、そういう食事の仕方をすれば、なにしろ白米を食べなくて済むのでダイエットにはいいですよね。ノンアルやホッピーは低カロリーまたはゼロカロリーですし。
ただし今現在の私でいえば、ノンアルコールビールと白米(とお茶)のどちらかを選べと言われれば、間違いなく白米に跪きます。それだけ白米の魔力はすごいです。白澤卓二先生が『白米中毒』なる本(名作!)を著すわけですわ。
なんだかとりとめのない話を、0.5%のビールテイスト飲料発売に際して書いてみましたけれども、くり返しますが「ビアリー」の味や雰囲気が飲酒時代の快楽に紐づくときには「危険」でしょうし、その製法からして、今のノンアルよりもかなりビールに寄せてくるでしょうからなおさらです。昔のテキサスセレクトがそうであったように。
そして私に問われれば「飲まない」と答えます(誰も訊いてくれませんが)。というのは、先にも記した通り、何でスイッチが入るかわからないからです。君子危うきに近か寄らずとはこういうときに使う言葉ですね(←ジジイ独特の上手いことゆーたったという自己満足)。
で、断酒者の多くが言っているように、そんなことで失ってしまうには今の生活が快適すぎます。
さて余談ながら、私にはそうした0.5%のビールテイスト飲料以上に恐れるものがあって、それはロッテのチョコの「Rummy」ですねー。一度うっかり口に入れたら、結構、頭の芯の部分がくらくら来てヤバかった(汗)。これはチョコとしても美味なので、その意味でもヤバいです(笑)。