酒やめて、1384日。
日本の価格設定はグローバルスタンダードじゃない!?
「NO JAPAN」が続く韓国で「NO JAPAN」にも関わらず、ユニクロの「+J」コレクション発売に長蛇の列ができたそうです。日本においても既にほとんど売り切れで、ネットオークションなどに出回っているとか。
そういえばアディダスのYEEZYなども抽選販売のお知らせのメールが来たりしますけれども、発売の翌日にはプレミアムがついた価格でメルカリなどに出品されています。
また、劇団四季や宝塚のチケットの買い占めが問題になることもありますよね。
このような転売が存在するということはそんな価格でもほしい人がいるわけで、要は価値と価格のバランスが合ってないのでしょう。
宝塚のチケットなどは、創始者である小林一三の意向であえて高額にしていないそうですが、それが裏目に出ていて皮肉なことです。もちろん転売禁止のためのいろんな方策は講じられているようですが。
結局のところ、価格というのは市場価値で決まるというのが一大原則です。ところがこれにグローバル化がからんでくると、なんだかおかしなことになります。
日本はこの失われた30年間で、先進国のなかではかなり貧乏になってしまい購買力が著しく低下しました。そしてその日本市場を基準に価格を決めると、グローバル化の中ではプレミアムがついてしまい転売屋のターゲットになります。任天堂のゲーム機などもそうなのでしょう。
日本市場は、価値ある日本製品のグローバル基準での実勢価格にキャッチアップできなくなりつつあるのかもしれません。悲しいことです。
そして、ストロングゼロだけが社会の底に残るのか?
酒の世界においても、たとえばサントリーの「響」などの高級ウイスキーは、グローバル価格としてプレミアムが付き、さらに品薄もあって、一般の日本人には手が出ないなどと言われていますよね。また日本酒の「獺祭」が先日、香港のオークションで最高84万円で落札されるというニュースもありました。
思えばバブルの頃は、世界中のロマネコンティが日本に集まる、なんて言われていたのに、まさに隔世の感があります。
そのロマネコンティをひとつの尺度に用いれば、バブルの頃は、もちろんヴィンテージにもよるのでしょうが、30万円そこそこで買えたと思います。超高価には違いがありませんが、なにしろバブル景気の頃です。文字通り景気よく開栓され、私のような者でもお相伴にあずかることもありました。それが今、ロマネコンティの実勢価格≒グローバル価格は100万円を超えていて、しかもDRCがリリースするエシェゾーなど他の高級ワインと抱き合わせでないと買えない、なんて話も聞きます。雲上の話なのでよく存じあげませんが(苦笑)。
一方、今、一般的な若手会社員の手取り給与額は、経済の停滞と社会保障費負担の爆上げもあり、バブルのときからほとんど変わっていませんし、残業代のことを考えるとむしろ下がっています。
つまりこのことが今の日本と世界の格差なんですよ! 世界の経済は、ロマネコンティのグローバル価格を三倍以上に押し上げたのに日本は30年前から成長できず、ロマネコンティナニソレ? になってしまっている。失われた30年をもたらした連中は万死に値すると思いますよ、まったく。
そしてそうした中で日本人スペシャルになってる酒が、やはり缶チューハイ、とくにストロングゼロに代表される9%のものでしょう。
実際問題、缶を開ければすぐに飲める9%のチューハイが100円を切ってる(サンガリアやストアPBなど)なんて国は日本だけでしょうし、その技術力にも驚きますけれども、先進国の中では貧乏である日本の一般人の一番安い娯楽になっている点が、ユニクロや任天堂のゲーム機とは違い特殊なところです。私などは、これをさらにコスパよく飲むために、甲類焼酎を足し、アルコール度数をアップさせてましたもんね。まさに底辺の飲み方ですわ(苦笑)。
世界の経済がふくらむ(≒グローバル価格が上昇する)中で唯一停滞してしまった日本社会に、いわばあだ花のように、ストロングゼロに代表される缶チューハイがあるという状況です。そしてそうした現状に立ち向かい、なんとか人生の果実を得ようとするための唯一にして一番手っ取り早い方法が酒やめることではないか、と(笑)。