飲食店文化の消滅あるいは変容で、行き着くところは宅飲み+ストロングゼロというモノラル体験なのか。

酒やめて、1179日。

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新型コロナによる外出自粛で飲食店が苦しんでいます。このままだとその多くが存続困難になるとも言われています。

世界一のデートタウンだった東京が……

バブルのちょっと前から、いわゆるおしゃれな飲食店が街でどんどん増殖し、その多くはチェーン店ではないインデペンデント系でした。外国人(とくにイタリア人)も含む、自分たちが行きたい店をつくるという思いに支えられたそのようなお店が、ホイチョイプロダクションズに言わせると東京を世界一のデートタウンに押し上げたそうです。なかでも伊東一族のフレンチ・プリフィクスの各店舗は本当に画期的だったと思います。今でも残っているのは、四谷三丁目のパザパと不忍通りのル・マルカッサンくらいのものですかね。

ミシュランでも東京が世界一星の多い都市になってますよね。私も一つ星のお鮨屋さんに行ったことがありますけれども、一人1万円で、一流店のおつまみ→にぎりのコース体験ができるのは本当に素晴らしいことだと思いました。

ただ繰り返しますが、そうした、インデペンデント系飲食店に支えられた飲食文化が揺らごうとしています。

今後、生き残るのはもしかしたらチェーン店だけなのかもしれません。たとえば東京の場合、晩杯屋の増殖はめざましく、いずれ『週刊ダイヤモンド』にでも取り上げられるのではないかと思ってしまうほどですが、コスパがめちゃいいので、行くのがそこばっかりになってしまいがちです。私もアル中時代はそうでした。

そうすると新しい体験がなくなるということです(参考「酒ばっか飲んでると、行く店もモノラルになり経験値が低くなっちゃうよ!」)。ただでさえそうした状況になりつつあったところ、今回のコロナによる外出自粛でついに宅飲みに行き着きました。

バブル前、世の男たちは、行きつけの店にボトルキープしてモノラルな飲酒体験をしていたといいます。しかしデート向きのお店が増えたことで、経験を多様化することができた。それが今、終焉を迎えつつあるのか、という気がしてしまいます。

宅飲み+ストゼロだと発信できない!?

同時にストロングゼロが売れに売れてRTD飲料世界ナンバーワンとしてギネス認定されたことも象徴的です。飲酒の世界が、宅飲み+ストロングゼロというものすごくモノラルな方向へと突き進んでいる。ちょうど18世紀のイギリスの労働者階級社会がジン横丁へと突き進んでいったように(参考「「ジン横丁」に描かれた18世紀のイギリスに、今の日本があまりにも似てきていてヤバいんじゃないかという件」)。

経験は人生を豊かにするだけでなく、ネット社会においては、直接的な利益も生んでくれますよね。ご存じの通り、自分の経験をブログ発信するなどができるわけですから。

ところが宅飲み+ストロングゼロには、そのように発信できる要素が何もありません。

ストロングゼロ体験を発信して、なんらかの反響が得られるのはアイドルちゃんくらいでしょう(参考「ついに「ストロングゼロ」を名乗るアイドルまで登場! 社会現象になったことがストゼロのウイークポイントか?」)。あるいは、本当に本当に凄惨な体験とか。

まあ断酒した私がそうしたことを言うのは余計なお世話ですが。

ただ、酒飲みの経験がどんどんモノラルになっていく中、我々断酒者としては、その分いろんなことを経験してますます差をつけていきたい。かように考えるわけでありますよ。

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