酒やめて、2078日。
外科手術にあたって医師がセンシティブになるポイント
またぞろ手術入院話で恐縮ですが、今回の一件で当初は、がんの疑いが強いとされていました。そのとき医者は、肝機能が正常で糖尿がなければ、がんであってもいかようにでも治療できると言っていました。
肝機能については、確かに血液検査では「γ-GTP=21・AST=14・ALT=8」で正常だったのですが、その後のICG検査でギリセーフだったことがわかり、エラソーなことは言えません。何度も引用して申し訳ありませんが『今夜、すべてのバーで』の赤河医師の言う通り、大量飲酒という前科があると、肝臓は一見元に戻ったように見えてもどこかに痕跡が残るものなのでしょう。今回腫瘍ができたのも、そうした過去の飲酒習慣との絡みもあるのかもしれません。
ともあれ肝機能はそうだったのですが、糖尿については問題ありませんでした。これについても当初、結構しつこく糖尿と診断されたことがあるかないか訊かれました。外科手術にあたって糖尿のあるやなしやは、センシティブなポイントのようです。
こうしたことを素人が言うのもナンですが、ただ入院していると相部屋に手術前の患者さんがやってくるわけです。そうした患者さんは糖尿がある場合、とにかく血糖値を下げましょうということをしつこく言われ、インシュリンの注射を打っているようでした。血糖値が上がったままでは手術はできないというわけですね。
問題は「治そう」という気が起きるかどうか、だ
糖尿があると外科手術を行った場合、治りが遅かったり感染リスクが高いことはよく知られています。むろん、それでも病院としては万全を尽くしてくれるでしょう。
ただ、自分に置き換えて考えると心理的な問題が大きいと思います。術後なかなか傷が塞がらず退院もできないとなると、やっぱり精神的に落ち込みます。病気を治していこうという意欲がはなはだしくそがれると思うのです。
つまり以下のことが言えるのではないでしょうか。
肝機能低下にしても糖尿病にしても、単にそれだけだったら治療しながら付き合っていける。将来的なリスクがあるにせよ、今すぐどうこうというものではない。
でも一度、たとえばがんのような外科手術を必要とするような病気に襲われた場合、手術体力という意味で、またそれ以上に治そうという気力という意味で足を引っ張ってしまう。実はそれが一番怖いのではないか。
逆に言えば肝機能が正常で糖尿がなければ、なにか身体上で不条理なことが起きても、それに立ち向かっていけるわけですよ。
そして、この肝機能と糖尿という二つの項目には飲酒が大きく関わっている。だから酒飲まないってことは、以前も書きましたけど(参考「飲酒の代替行為としての運動が、がん(仮)のような不条理に立ち向かう武器になるとは、これってかなりおトクな話ですねー」)不条理に備えるということでもあるのだなあと、あらためて考える次第であります。
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