酒を飲まない無聊を慰めるために「何か」をする。この「何か」が人生を変える力を持っている件。

酒やめて、1528日。

酒が飲めずに書いた著作が人生の転機に!?

先日本屋をプラプラしていたら、このような本を発見しました。

河出書房新社『宮脇俊三・時刻表と鉄路の旅人』。ファンのためのムックですね。

この本の「主役」の宮脇俊三という方は紀行作家で、亡くなってもう20年近くになるのですが、ミヤワキストと呼ばれる熱いファンがいます。そして宮脇氏に新作を期待するのは無理ですから、このような本が定期的に刊行されファンの無聊を慰めているわけです。私もミヤワキストの一人なので、こうした本があるとなると飛びついてしまいます。ただこの本が刊行されたのは一昨年ですね。まったく知りませんでした(汗)。

その宮脇俊三氏について、このブログでも取り上げさせていただいたことがあります。「宮脇俊三「激励ならそれに応えなければならない。揶揄なら、なおのことやり遂げなければならぬ」」です。その記事でも触れていますが、宮脇氏は齢50にして国鉄(当時)全線乗車を達成し、それを著作にしたところ話題となり、紀行作家に転身したという経歴を持っています。

その本――宮脇氏の処女作である『時刻表2万キロ』は、なんと当時医者から禁酒を言い渡され、その無聊を慰めるために書いたというのですね。

これは実に意外であります。というのは宮脇氏の著作には酒の話が多々出てきていて、読んでいると酒を飲みたくなるほどだったからです。今でこそ飲み鉄という分野が確立(?)されているようですが、その第一人者と言っていいかもしれません。

そうした宮脇氏が酒を飲まずに旅行記を書き、それが人生を変えたという構造になっています(禁酒は一時的なもので、体調が回復しまた飲めるようになったとのこと)。

酒をやめると暇が生まれ、何かしようという気になるから不思議です

私が初めてこのエピソードを知った時、そんなバカな! と思ったのを覚えております。それは飲酒時代でしたが、原稿を書くといったようなことが酒が飲めない「無聊の慰め」になりえるのかー! と、非常にいぶかしく感じました。

当の宮脇先生も「原稿を書くの身を削られるほど辛い作業なのだろう」と他の著作に書いていますしね。

でも酒をやめると、原稿を書くといったような行為でも、ちょこちょこながらでも脳汁の類を出してくれて、それが楽しみに変化するということを、もちろん宮脇先生レベルではありませんけれども、何となく理解できるようにはなりました。

酒をやめると圧倒的な暇が生まれ、「何か」やらなければならないという思いに駆られます。そしてその何かが、あるいは人生を変えてくれることは宮脇氏のエピソードでも確かです。別に宮脇先生のような著作をものにするといった大それたこと(?)でなくても、何らかのきっかけになるのは事実でしょう。

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