飲酒が「災厄」を呼び込むまでには、ちゃんとした(?)プロセスがあるのですね。

酒やめて、2026日。

broken-glass

酔っ払ってガラスを割って、30万!

以前、人生を単純化したくて酒を飲むのに、酒を飲むと人生がますます複雑化するといった話を、小田嶋隆さんの本の記述を引用しながら書かせていただきました(参考「計画的にやった方が、実は人生が「単純化」することにあらためて気づいた断酒者がここにいますよ(苦笑)」)。いやー、やっぱり酒は人生を複雑化しますよ。要らん災厄まで呼び込んでしまう。当たり前といえば当たり前なのですが、ちょっと事件があったので書かせていただきます。

うちの父が暮らしているマンションの玄関の部分のガラスドアが先日割れていて、修理を行っているのを目撃しました。それについて話題にすると、父曰く、マンションの住人の一人が酔っ払ってぶつかったんだと。単純にぶつかったのか、意図して、というか、酔って激情にかられて(?)割ったのか分かりませんけれども。そして本人が名乗り出たとのことです。

まあ防犯カメラには写ってますからチェックすればわかったことなのでしょうけど。ただその場合、問題がめんどくさくなりそうではありますよね。

ともあれマンション側は、これ幸いに(?)全額じゃないのかもしれないのですが30万円だかを要求したとのことです。玄関の自動ドアの部分なので高額なガラスが使われていたのでしょう。

しかし要求された側からすりゃ大きな出費です。私のように低消費生活をしている者にとっては30万なんて一年の食費雑費です。

さて、このように飲酒というものはいろいろ災厄を呼び込んでしまうのですけれども、こういうことって、単にそれだけの問題ではないと思うのです。自分の経験上もそうなのですが、そこに至る構造的な問題があるように思います。そんな大げさなものではないけど(汗)。

酒飲んでると考えるべきことは多いのに、考える時間は少なくなる

もちろん俺は普通に飲んでいるし、そんなことはしないという飲酒者もいるでしょう。私も飲んでた時代は、普通に飲んでなかったけど、さすがにそんなことはしねーよ、でした。ただ、今は、飲んでガラス割って30万に至るプロセスというのが、もちろん自分のこととも考えあわせてものすごーくよくわかるのですよ。

それが冒頭に触れた「複雑化」の話にも関連してきます。

つまり酒を飲んでいると、別にガラスを割ったり、あるいは誰かと喧嘩したりとか、そういう「事件」にまで至ることはなくても、少なくとも時間とお金とエネルギーは奪われます。これは確実です。

そうした状況で、まともに日常生活を送ろうとする、あるいはまともに仕事をしようとすると、やっぱり齟齬が出てきてしまうのですね。自分では上手くやっているつもりでも、周りから見れば違和感があり、その違和感というものが自分に対して何らかのエフェクトを持ち、それに自分も違和感を感じ修復しようとします。まさに人生の「複雑化」です。酒を飲んで時間やお金やエネルギーが奪われた結果として顕在化する問題を解決するための複雑化、とでもいうのでしょうか。

だから酒を飲んで、かつ人生を上手くやっていこうとすると、飲んでいないケースよりも考えべきことが多くなります。でも、時間は奪われるので考える時間は少なく、飲んでない人よりも短い時間で多くのことを演算しなきゃいけないくなるのですよ。それはそもそも無理スジであって、その無理が象徴的なかたちで出てくるのがやっぱりガラスがちゃんで30万円だとか、いつぞやも書きましたけど、知人宅のドアをどんどんどんどんどんして通報されるとか、そういうことですよね(参考「酔った勢いの「社会悪」って、今、どこまで許されるんでしょうかね?」)。

そしてそういうことが重なっていくと、やっぱり破滅、というふうになるのかなあと思います。

飲んで、たとえば他者に暴力をふるって人生一発アウトになるみたいなことはよく言われますし、駅のポスターなどでも訴えていますが、結局のところそれって、ハインリッヒの法則と同じで、小さいことがずっと積み重なっていった結果、ということです。

それを防ぐ方法として「考える」があるのですが、それがあまりに多くて、自分の演算能力を超えていると感じたときが、酒のやめ時なのかもしれません。

ただし、ここが難しいところで、酒を飲んでいる、とくに適正飲酒者だと自認している人は、自己評価が肥大していますから(いつも書いていて恐縮ですが、これは「神秘的なほど」そうです)、自分の演算能力の高く見積もりがちです。その点、アル中、アル依までいってしまうと、演算能力超えをリアルに感じるようになるので、かえって酒をやめやすいのではないかと。

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