我々が人生から取り除きたいのは、「飲酒習慣」なのだという話。

酒やめて、3214日

沢井製薬ウェブサイトより

医療費サブスクの減酒アプリとはいかなるものか

今年の夏でしたか、沢井製薬から減酒アプリなるものが登場し、その当時はふーんてな感じでしたが、今、この記事を書くにあたって調べてみると2500円の医療サブスクなのですね(参照「アプリでお酒を減らす? 保険適用の“減酒アプリ”登場」)。

そんなアプリ、製薬会社がやらんでもいくらでもあるやろー、しかも金取るんかいっと思ったのですが、よくよく記事を読んでみると、医者との双方向アプリで、記事にもあるように「治療」です。それだったらコストかかりますわなと納得したのですが、しかし根本的に納得できない(?)部分もありまして、それは「減酒」そのものです。

減酒については、一つには、断酒が究極の目標だけれども、そこへの一里塚としての役割があるでしょう(参照「断酒ではなく「減酒」という選択肢を―私の専門外来Vol.4~減酒外来(前編)」)。仏教でいうところの方便ってやつですね。断酒総本山(?)の久里浜医療センターも実施していることからして、有効なメソッドなのかもしれません。ただ、その最終的な到達点は、繰り返しますがあくまでも断酒なわけですよ。

しかし、前述の減酒アプリの目的は違うところにあるようですし、一般的に減酒というと、久里浜減酒とは異なり、恒常的にお酒の量を減らすことになります。そしてこれぞ、多くの呑兵衛が希求してやまない「生き方」ですよね。ただ、このブログでもしばしば攻撃対象(?)にしている「俺は一生楽しく飲める(お前と違って)」という考え方と同じ匂いもします。余計なことですが。

ともあれ、お酒の量を減らし、その上で、お酒と付き合っていきましょうというのは、少なくとも私にとって、あるいは現在、断酒をしている方々にとってはあまり意味がないものに思えます。

健康のためなら「減酒」もいいかもしれませんが

このような恒常的な減酒とは、要は健康のためにお酒をやめたいけど、それはなかなか無理ゲーなので減らしましょうというものですよね。実際、私の周りにも、断酒は無理だから減酒したいんだよおお、という人はいます。成功しているかどうかは知らんが(性格悪い)

このテの減酒は、健康のためには効果はあるのでしょう。でも、何度もすみませんが私には無理です。無理というのは、物理的にももちろん(参考「適正飲酒者・機会飲酒者にはなれない大いなる自信があるから、一周回ってスリップしない自信もまたあるという話」)、健康のためにお酒をやめているではないからです。

これは、酒をやめてしばらく経って気づいたことで、おそらく多くの断酒erの皆様のご賛同もいただけると思うのですが、酒をやめると時間と経済力とエネルギーが回復する、そしてまさにそのための断酒だからです。若者が酒を飲まないのも、時間がもったいないというのがやはり一番大きな理由だそうですし(参考「【断酒者私見】「若者のお酒離れ」の本当の理由」)。いやほんとに、酒の酒さんの時間能力たるや空恐ろしいということは、いつも書かせていただいている通りです。

なので、もう我々断酒erにとっては、健康云々は関係ないのです。いや、多少関係ありますね。健康は経済力アップにつながりますから。

とにかく、健康のために酒をやめているわけではなく、人生全般のために酒をやめている。そして減酒にせよ、時間や経済力を奪うことには変わりない(エネルギー減退防止には多少効果はあるのかもしれんが)。我々が人生から取り除きたいのは、「飲む量」ではなく「飲酒習慣」なのです! だから「減酒」は意味ねーよなーという検証をさせていただいた次第であります。

原則として火曜日と金曜日の19時に更新しています。

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