酒やめて、1972日。
せめて10年早くやめていればなあ!
酒やめてもうすぐ2000日になるのですが、あらためて思うのは、あーもっと早くやめてればなあ、ということです。せめて10年早ければなあ、です。
というのは、やっぱり酒やめてからいろいろできるからです。これを10年早くやってれば、オレの人生どうなっとったんやあああ! ですねー。つまりそれだけ、酒は経験チャンスやチャレンジごころを奪う、ということですよ。
今の時代、本業以外に、勉強でもなんでも未来の自分のための「何か」をしなければサバイバルできない世の中になっていますよね。その「何か」にちょっと着手してみようか、てなときに、飲酒者的には「とりあえず酒を飲む」という選択肢があります。私の場合も、十中八九、いやいや十中十、酒を飲んでいました。
で、それがもたらす機会損失たるや本当にとんでもないレベルだと思いますねー。飲んでいた時代は飲むのが当たり前だったので、そんなことには考えも及びませんでしたが、今いろいろできる(あくまで自分にとっての「スモールステップ」ですが)となると、やっちまった感ハンパないです。人生をそのまま喪ってしまった。そんな思いさえしますよ。
と、ここまでは当たり前といえば当たり前のことなのですが(飲酒時代は、そんな当たり前のことすら気づかなかった!)、言いたいのはその先であります。
酒による一時的活性化が罠なのですよ
あー何かやらなきゃ、何か始めてみようと思いたった時、でもなんとなくやる気が出ない(その時点では酒飲んでない)場合どうするかというと、私の場合、先に書いたように酒を飲んでいました。なぜなら酒が一時的に脳を活性化してくれることがわかっているからです。それは酒飲みの数少ない、そしていびつな成功体験でもあります。
このブログでも何度か取り上げましたが、中島らも著『今夜、すべてのバーで』には、主人公の物書きが、原稿が書けないときに飲んでみたらすらすら書けてしまい、それが成功体験になって大酒飲むようになった、というエピソードが出てきます。まさに、あーこれやこれやという感じですよね。終戦直後の労働者はヒロポンを打って気合を入れて労働をがんばったといいますが、それと同じなのでしょう。
いや、ヒロポンの効用(?)は当然ながらよく知りませんが、酒に関して言えば、確かにそのように脳を活性化します。でも活性化する時間というのは短時間で、それは飲酒体験を重ねるとどんどん短くなります。ここが酒の異常で危険なところですよね。
そしてやがて無気力が人生を覆うようになり、なーんもやる気がしなくなる、つまりにチャレンジするチャンスを根こそぎ奪われる構造と相成ります。最初の「活性化」は、撒き餌みたいなもんですよ。
いつも書いてますけれども、やっぱり酒さんは意思を持ってます。自分の意のままにできるよう人間を造り変えていく。そして結果的にその人の人生をダメにします。そのダメな人生がますます自分(=酒)を必要してくれるように、ですね。
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