酒やめて、2636日
酒さんは「なーんもしたくねえ」に付け込んできやがります
現在、老人ホームに入居している私の父ですが、入居のきっかけとなったことの一つに廃用症候群というものがあります。廃用症候群は「日常生活の不活発に伴って生じる身体的・精神的諸症状の総称」とされていますが、父の場合、行動意欲の減退といった指摘が医師からなされました。「なーんもしたくねえ」というやつですね。飲酒のことも言われましたし、むろん加齢もあるでしょう。
このような「なーんもしたくねえ」は程度の差こそあれ、加齢とともに誰にでも起こり得るものですよね。実際、私の周りにも「片付けられねーぜ」な人もいますが、やっぱり歳をとるとともにだんだんそうなっていったようです(参考「寂しいから酒を飲むのか、酒が寂しさを連れてくるのか」)。
私の場合、酒を飲んでいた時代は「なーんもしたくねえ」が、主に朝ですけれども度々……いや、毎日でした。だからそれでまたストゼロを飲みたくなったりしていたわけで。実際に仕事で誰かに会う用事がないときなどは飲んでましたし。気付けとしての酒です。
いやいやいや、これが酒さんの恐ろしいところでありまして、飲む人を「なーんもしたくねえ」に追い込んでおいて、いざ「なーんもしたくねえ」になると、わいが必要やろ~と囁きかけてくるのです。
ともあれ、酒やめてからというもの、そのような「なーんもしたくねえ」状況がなくなったのがやっぱり大きくて、なかでも朝が一番違ってきていたと感じていました(参考「酒やめて一番変わったのは「朝」かもしれないし、その人生に対する影響力たるや、という話」)。
飲んでなくても気力減退するのだから
ところが、ですね、ショックなことに、最近は朝起きる時に「なーんもしたくねえ」みたいな気分になるときがあるのですよ。酒を飲んでた時代と比べれば「軽度」ですが、ただ加齢に伴う気力の減退が忍び寄ってきているのかと。
朝起きて筋トレするのが習慣であり、楽しみですらあったのが、ちょっとやりたくないなあ、なんてことがあるのです。やればやったってドーパミンが出て気分が好転するのがわかってるんですけれども、そのきっかけが掴めないというのでしょうか。
そのようなプチ気力減退みたいなことは若い時でももちろんあるでしょうけど、加齢とともにその傾向が強くなるのは事実でしょう。そして酒を飲んでいるとそれが一気に進行する。飲酒習慣に伴うなーんかやる気出ねえが常態になっているところに、加齢に伴う気力減退が加われば、片付けられねーぜどころか、有り体に言えば廃人近くなってしまいます。
人間の脳や身体には加齢とともにいろんな不都合がやってくるのですが、飲酒習慣はその不都合を一気に加速させるという側面は絶対にあります。そして、それをリカバリーするためにさらに酒を飲むという構造がある以上、その悪しき輪廻から早く抜け出すことが、昨今の社会状況からすればサバイバル条件になりそうです。ただ恐ろしいことに、加齢とともにそれがしにくくなるのも事実です。
なので酒やめた今、この程度の軽度の「なーんもしたくねえ」で済んでいることを幸いにしなければとも思いますわ。
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