酒やめて、1235日。
宝塚「ブスの25箇条」というものがあります。いわゆるヅカガールの間で反面教師として言い伝えられているものです。こういう人がブスだよ、こうならないようにしようね、ということですね。ご存じの方も多いと思いますが、ちょっと書き出してみます。
・笑顔がない
・お礼を言わない
・おいしいと言わない
・目が輝いていない
・精気がない
・いつも口がへの字の形をしている
・自信がない
・希望や信念がない
・自分がブスであることを知らない
・声が小さくイジケている
・自分が最も正しいと信じ込んでいる
・グチをこぼす
・他人をうらむ
・責任転嫁がうまい
・いつも周囲が悪いと思っている
・他人にシットする
・他人につくさない
・他人を信じない
・謙虚さがなくゴウマンである
・人のアドバイスや忠告を受け入れない
・なんでもないことにキズつく
・悲観的に物事を考える
・問題意識を持っていない
・存在自体が周囲を暗くする
・人生においても仕事においても意欲がない
私は宝塚歌劇団というものを観に行ったことがありません。しかし知り合いには何人か、いわゆる「ヅカオタ」な人もいます。それだけ人を魅了してやまない魅力があるのでしょう。それは、なんとなくわかります。
そういえば宝塚歌劇団の創始者は、阪急電車の祖・小林一三です。「ヅカオタ」ならぬ電車オタにとっての教祖(?)でもあります。そして小林翁の「どなたにも観ていただけるように」という考えにより宝塚のチケットは適正価格を保ち、それゆえに入手困難になっているのだとか。劇団四季のファミリーミュージカル(通常公演に比べ格安)と同じ考え方ですね。いつぞや書かせていただいた平田オリザさんなどとは異なり(参考「昔、つまらない大人にはなりたくない。今、ダサいジジイになりたくない。だから酒やめるという選択」)、なんだかとても謙虚です。そしてそうした劇団風土のようなものも、ブスの25箇条に反映されているのかもしれません。
さて、そのブスの25箇条の件です。
この手の「教条」て、よく湯呑みに書いてあったり、お寺の壁に貼り出していたりするじゃないですか。
でも、そういうのを見ても、なるほどなーとは思っても、あまりありがたみを感じないですよね。しかしこと宝塚が言うと、宝塚ガールたちが超人的な努力をしていることは一般常識としてありますので、我々一般人にもありがたみを持って迫ってきます。
宝塚の場合、この反対をすれば、その信念である「清く正しく美しく」生きられる、ということなのでしょう。宝塚が単なる芸能活動ではなく「生き方」そのものであることもまた我々一般人も理解しているところです。
で、一般人的にとらえれば、このブスの25箇条って、貧乏になる法則でもありますよね。これの逆をやれば金持ちになれるのでは、と思ってしまいます。
そう考えると、これってまさに「実効」ですよ、「教条」ではなくて。
そもそも私は飲酒時代というか生まれつき、この手のものってあんまり信じてなかったのです。スピリチュアルくさいじゃないですか。この反対をやれば、たとえばいつも笑顔を絶やさなければ、いつの日か金持ちになれるのか、んなわけねーよ、とも、基本的には考えていました。
でもですね、酒をやめて以来、たぶん謙虚になったのでしょう――自分でいうのもなんですが(笑)、こういうものを素直に受け止められるようになったのです。そしてスピリチュアルではなく確かに「実効」なんだなと感じられるようになりました。
この辺の精神的な変化は自分でもわかりませんし、じゃあこの手のことを実践して金持ちになっているかというとまったくそんなこともないのですが、ただこういうふうに(ブスの25箇条の場合はその反対ですが)やってみようかな、というか、心のどこかで心がけたいなとは思うのですよ。
考えてみればこれって、宝塚のようなスーパーな人たちだけでなく、普通の人が普通にその反対をやれば美しく生きることができる(その結果、幸せになれる)ための教えですよね。
そして酒やめて、なんだか「きれいに生きたい」という思いが非常に高まっているのも事実なのです。まあ今までが美しくなさすぎでしたからね(笑)。