ソーシャルイノベーションアワードにて、「酒飲んでる場合じゃない」と、あらためて。

酒やめて、1032日。

昨日の日曜日、ソーシャルイノベーションアワード2019の受賞発表があったので見に行ってきました。いやいやいやいやしかし、そこでプレゼンテーションされたプロジェクトは、まさにソーシャルなイノベーションを起こす可能性を持つものばかりで、またそれ以上にプレゼンテーターの真摯さにほろりとしてしまったのでした。

世界はイノベーションを待っている!

といっても何のことだかよくわかりませんね。ちょっと説明させていただきます。

ソーシャルイノベーションアワードとは、社会変革を起こす革新的な取組みを公募して表彰支援するものです。日本財団が主催で今年で4回目だそう。私は初めて見に行きました。

要は、何か社会貢献したいという人が自分で企画プレゼンテーションし――ビジネスとして動き出しているものもなかにはかなりありますが――それを審査してもらい、社会的に実効性あるプロジェクトには日本財団が支援するというかたちです。

昨日は最終審査に残った10組のイノベーターがプレゼンテーションを行い、それを私は見に行ったわけです。

勉強、というわけでもないのですが、面白そうだというのが行ってみた理由でした。場所は有楽町の東京国際フォーラムです。しかし飲酒時代なら、日曜日の昼間にそうしたイベントを見に行くことなどまずなかったと思います。仕事がなければ、昼飲み酒場に出かけるに決まっていたからです。同じ有楽町でも、国際フォーラムの反対側にあるガード下を目指していたでしょう(といっても最近の有楽町のガード下はすっかりオサレになりましたが)。

プロジェクトの原動力は、もちろん酒じゃない(笑)

それはともかくプレゼンテーションですが、たとえば、難聴児支援オンライン家庭教師システム(これが大賞でした。尾中友哉氏)やデイサービス送迎車相乗りシステム、機能性昆虫食といったものでした。つまり世界や社会の問題点を、卓越な発想や今ある技術・システムを組み合わせることで解決していこうというものですね。

しかし私がそれらプロジェクトのユニークさ以上に感動したのは、プレゼンテーターの皆さんの真摯な思いです。「転んだときだけやわらかくなるマットレス(製品名は「ころやわ」)」をプレゼンテーションした下村明司さんは、彼のおばあさまが転倒し寝たきりになってしまったことがきっかけといいます。そのように自らの体験を契機とし、世の中をなんとかしたいという真摯な思いが生まれ、ひとつの確信を持ってプロジェクトを遂行する。それはすべてのプロジェクトに共通していました。

審査員のひとりである鈴木雅剛氏が「社会が変わるときには、強い意思と熱量を持って挑戦していくイノベーターが必要」(聞き取りなので、正確ではないですが)と言ってましたが、まさにその通りだと思いましたね。ですからほろりとさえしたのです。

もう一つ重要なのは、確かにそれらプロジェクトはテクノロジーベースのものも多く専門家によるものでしたが、しかしそれだけではありません。今は、私たちも含めどんな人でも、世界的なイノベーションを起こすプロジェクトを考え実行できる、社会的なインフラがあります。そこが非常に大きいなと思いました。

今は、学生でも起業し、支援を得ることが可能な世の中であり(事実、昨年度の大賞受賞は東大生でした)、また高校や大学でも、そうしたプロジェクトベースの学びが取り入れられています。

この「誰でも」が大切だと思います。強い信念はかたちになる時代になったのです。ますます酒飲んでる場合じゃないなという思いを強くしました。

私は、プレゼンターの発表を聴きながら、なぜか、メジャーリーグ伝説の大打者、テッド・ウィリアムスのことを思い出していました。彼は、試合において自分に投じられたボールのコースを一球一球記録し、コースごとに打率を算出したといいます。そうした地道で、しかし変革を成すのに必要不可欠な行為は、とても酒なんか飲んではやってられなかったろうなあ、と。

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