酒やめて、3081日
酒飲まない釈明(?)もなかなか難しいのだ
プチ同窓会のような同世代の集まりでは、やはり「なんで酒飲まないの?」「なんで酒やめられたの?」と訊かれることがあります。
私の同世代は「毎日飲まなくなった」「家では飲まなくなった」という具合に酒から上手く離陸できた人間が多いのですが(参考「「毎日飲む」が少数派になっていることに驚く」)、それでも毎晩飲み続けている人間もいて、そういう人はできれば酒を控えたいと考えており、私のメソッド(?)を参考にしたいということがあるのではないかと思われます。またもちろん、あれだけ酒飲んでいた〇〇(私のこと)が! という驚きも問いの背景にはあるでしょう。
しかしながらこの問いに上手く答えるのはなかなか難しいことでもあります。以下、それについて、自意識過剰かもしれんが考察(?)してみたいと思います。
まず、正直なところを言ってしまうという方法もあるにはあります。
つまり、このまま酒飲み続けていたら老後が立ち行かなくなるのがわかったから、といったことですね。むろんこれは真実であり、少なくとも私にとっては切実な理由なのですが、せっかく久しぶりに会ったというのに、こういうことを言うと白けてしまうのが欠点です。
あるいは、手術して肝臓半分取ったという理由もありますが、これは周りが知らない人ばかりの集まり(最近ほとんどないが)で酒を勧められたときには有効ですが、昔の仲間のような遠慮がない場合、でも肝臓って再生するらしいよ、もう戻ってるんじゃないか、みたいなことを言われたりもしますので、なかなか使いづらいものがあります。
また私として一番実感しているのが「(酒飲んでる)時間がもったいない」ですが、これは今、飲酒している人間に対する明らかなディスリになってしまうので、言いづらいです。
で、私がよく使うのは、「飲酒をマネジメントするのが面倒くさくなった」です。
禁煙の経験から理解が得られる!?
実際、外で酒を飲もうとすると、行き帰りのことを考えなければなりませんよね。クルマが使えないのはもちろんですが、たとえば駅のホームから転げ落ちないようにしよう(何度もそうなりそうになった)とか、財布を落とさないようにしようとか、寝過ごさないようにしようとか、そのテのことであり、こういうことを考えて気を付けるのってホントに面倒くさいんですよ。
若いうちはそんなことも考えずに酒飲んでいました。けれども齢とともに自己防衛本能みたいなものが働くのか、こういうことを酒飲むにあたって考えるようになった。私の場合、飲酒時代は何しろアル中でしたので、考えはするけれども実践はできず、その結果、痛い目に遭ったりもしていました。幸いにして大怪我をするようなことはなかったけれども、ただ、そのリスクを考えマネジメント(?)するのはかなり負担でした。だったらやめた方がマシという考え方もあるということですね。
このことはやめた理由の第一ではないけれども、ただ周囲に非常に理解されやすい。なぜなら私と同年代の人間は、ほとんどが禁煙の経験を持っているからです。
どういうことかというと、タバコを吸っていると常に火災マネジメントをしなければいけない。ちゃんと火を消したかどうか考えなければならず、これがめちゃ負担になります。
で、たとえば子どもが生まれたりとか、家を買ったりとか、そうしたマネジメントがこれまでになく重要になったことを契機にタバコをやめた人間は多く、なので、酒についても案外このあたりのメンタリティは理解されやすいところであると思われます。
しかも「マネジメントがめんどくさい」というと、どういうこと? みたいに話が広がるのもよいのかもしれません。
というわけで、私の場合、訊かれたらこの理由を用いたりもします。実はこのように答えを用意しているのも「マネジメント」であり、なかなか因果なことではありますが(苦笑)。
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