あまりに「QOL」を追求するのも考えものかもしれないと思い始めました。

酒やめて、2554日

なんもしなければなんもなかったかもしれない!?

最近どうもかすみ目が酷くて眼科に行ったら、一昨年手術して換装(?)したおニューの水晶体がちょっと濁ってきているとのことで、どうもよくわからん結果になりました。こんなことなら、白内障の手術なんかしなきゃよかったなあと考えたりもします。いや、自分が悪いんですが。というのは、眼科医はもうちょっと様子をみましょうと言っていたに、私がどーも気持ち(目持ち?)が悪いので、どーしてもやってくれと言ってむりくり頼んで手術してもらったからです。

同じように一昨年、がんの疑いで一時は余命宣告までされたのですが、結局はデカいものの良性の血腫であり今でも生きています。これもそもそもは、どうも横っ腹がなんか重いなあというちょっとした不快感を解決するために医者に行き見つかったものでした。

でもって大騒ぎして摘出したけど、実は手術前に医者からたぶん良性だと思うので、厳重経過観察という方法もあると言われていたところ、すっぱりやっちゃってくださいと自分から頼んだのでした――内視鏡で組織の一部を切り取り病理検査してみないと決定的なことはわからないとのことだったので、だったら内視鏡手術による全摘出も似たようなものだという、医師と私双方の判断からでした。だから「厳重経過観察」という手もあるにはあったのです。推奨ではないですが。

そして、術後半年後の検診でまたまた肺に影が見つかったりして(齢を取るとはこういうことだ)、今度は経過観察になったのですが、この辺もはじめの手術……、いや、脇腹に違和感で医者に行かなければ何もなかったのかなあ、とも思ったりもしています。その違和感は今も消えてないし、原因不明だし(悲)。

とまあ、ここまで書き連ねたことはあくまでも結果論であり、今だから言える感満載であり、さらに身勝手な思いではあるのですが、ただ、自分自身の「QOL」てやつを追求したいがために、結局、薮をつついて蛇を出しちゃったのかなあという気もなんとなくするのですよ。

さて、そんなふうに考えていたところに、昨年のことですが、私の愛読しているブログ『庄内拓明の知のヴァーリトゥード』で、こんな記事(参照「「上手に楽に老いる」ことを願ってるので」)を読みました。以下、一部、引用します。

久坂部氏によれば老人には2種類あるという。「腰が痛い、膝が痛い、さっさと歩けない、細かい字が読めない書けない、もの忘れが激しい」などとひたすら嘆き続けるタイプと、「年を取ったらこんなもんですわ」と、さまざまな老化による不具合を素直に受け入れるタイプだそうだ。

ある男性は腰痛のせいでほとんど歩けないのに、治療なんて求めていないという。「この腰痛は年のせいやから、どうしようもおまへんな。これが治せたら、先生はよっぽどの名医ですわ」と、軽い気持ちで達観しているらしい。

一方で、脳梗塞で左半身不随になった 82歳の女性はリハビリの効果で状況が改善したので、「だいぶ速く歩けるようになりましたね」と声をかけると、険しい顔でにらみつけ、「もっとさっさと歩けるようになりたいんです」と応えたという。

(中略)

なるほど、「上手に楽に老いる」というのは、とりあえず自分の状態をそのまま何てことなく受け入れることが基本のようなのである。たとえ体はしんどくても、気の持ちようで「楽に老いる」ことは可能ってわけだ。それができないと「下手に苦しく老いる」ということになってしまう。

とりあえずスタートラインに立てたのだからね

この伝でいけば、私は①「『腰が痛い、膝が痛い、さっさと歩けない、細かい字が読めない書けない、もの忘れが激しい』などとひたすら嘆き続けるタイプ」に分類されるわけですね。で、当然ながら、②「『年を取ったらこんなもんですわ』と、さまざまな老化による不具合を素直に受け入れるタイプ」のほうが人生ラクだと庄内拓明さんも指摘しています。

実はガンなども、発生するものではなくて発見されるものだなんて説もあったりもして、「発見」を呼び込むのは①の態度ではありますよね。むろんそれで命が救われるケースも多いでしょう。ただし知らぬ間に治っている説もあり、そっちは②の生き方をしている場合でしょう。

だから本当に一概には言えないのですが、ただ酒を飲んでいたら、①も②もない。つまり自分の身体についてどのようにするかというスタートラインにすらつけなかったということですよね。

さて、①②双方の考え方があり、「上手に老いる」ためには②推奨とのことですが、「歯」に関してだけは、絶対に①であるべき、「QOL」てやつを徹底追及したほうが結果的に人生ラクになると考えます。

歯については私も飲酒時代、よく寝起きに舌を噛んでいて、それは虫歯で浸蝕されて鋭利になった歯によるものだったので痛いのなんのって、まさに「QOL」を大きく損ねていました。またそういう状況だったので妻楊枝もよく使っており、これもストレスでした。

なので、酒をやめてホワイトニングをした際に、銀歯が目立つところも含めて全部やりかえてもらって、それからというものの、歯が痛くなったりしないのはもちろん妻楊枝要らずで、まさに「QOL」が実現しており、こればかりは①でよかったと思いますわ。あと、脳に対しても①の姿勢が必要なのではないかなとは思います。

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