「キレる老人」には、やっぱり酒が関係していた!?

酒やめて、1093日。

最近、老人がキレやすくなった、なんて話をよく聞きます。ただしこのことについて、データとしてよく呈示されるのは「検挙件数」なので、これははっきりとしたエビデンスにはならないでしょう。単に警察が介入する事例が多くなったからなのかもしれません。

「お札の向きが揃ってない!」と怒鳴る老人

ただ、私も一度だけですが、目撃したことがあります。スーパーのレジで、お釣りのお札の向きが揃ってないと怒鳴っている、そうですね80台位のおじいさんです。

もし飲酒時代なら、なんだか根拠のない義憤(そんないいものじゃないですが)が沸き上がってきて、何らかの介入をしていたかもしれません。ただ今はなんとなくそれを他人事のように眺めているだけです。いいことなのか悪いことなのかは分かりませんが、なんとなくメンタリティがそうなってしまったのです。これもお酒を止めたことによる精神の変容だと思います。

それはともかく、まあほんとにいるんだなあというのが実感でした。そして当然ながら、レジの人は大変だなあと同情しました。でもこれは、実は他人事ではないのですね。というのは我々世代もリタイアしたら年金では足りず、このようなスーパーでアルバイトをすることになるかもしれないのです。事実、そのスーパーには「シニア募集」の張り紙がしてありました。

酒も「キレる」の一要因でしょう

さてキレる老人の原因ですが、いろんな人がいろんな分析をしていて今さら私のようなものが何かを言うのも片腹痛くて脂肪肝なのですが、当然のことながら、寿命が伸びていることはあるでしょう。齢を重ねると確実に脳、とくに感情を抑える前頭葉は萎縮していきますので。そしてそれに輪をかけるのが酒、ということになるのではないでしょうか。

キレる老人は圧倒的に男性が多いですよね。やはり男性の飲酒率の高さと関係があると思われます。別にこれはアル中だとか過飲酒だとか、そうしたことではなく、普通に飲んでいても飲む量×飲んできた年数分、脳にダメージが蓄積されます。と思われます(笑)。ですから、高齢になればなるほど、酒の影響は大きくなります。よくアル中は認知症になるリスクが2.5倍と言われますが、認知症とまではいかなくても、脳へのダメージは飲んでいる人は誰にでもあり、それは年々大きくなるということです。

では、昔はなぜキレる老人が問題にならなかったのかといえば、やっぱりそうなる前に死んでる人も多かったということでしょう。

キレ脳になる前に死んでいた場合は、「お酒さえ飲んでなければいい人だったのに」だったのですよ。お酒を飲んでいるときしか、悪い面は表面に出てこなかった。でも、世界でも類を見ないほど平均寿命が伸びた今の日本では、酒の悪影響が、加齢ともに、酒飲んでない時でも出てきている。その一局面が「キレる」ということではないかという、ま、仮説ですけど(笑)。

そして「お酒さえ飲んでなければいい人だったのに」ではなく「昔はいい人だったのに」になってしまうのが、飲酒習慣×年数の怖さというものでしょう。

もちろん医学的なエビデンスがある話ではありませんが、ただ毎日、通常飲酒(それ自体が多くの場合、自己判断であり、医師の推奨を大きく超えているケースがほとんどなんでしょう)でも、それが蓄積されると「キレ老人」につながることは、それほど間違いではないと思います。

キレる老人になりたくないです。それ以上に、キレる老人を相手にするような仕事は、齢取ってまでしたくないです。だから、酒やめて生活をミニマムにしておいて良かったと思いますよ。マジで(笑)。

酒飲むために金が必要で、金が必要だからキレる老人を相手にするアルバイトなりして、それで自分がキレる老人になったらまったくシャレになりませんからねー。

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