酒やめて、1248日。
真っ赤なボディコンで現われた女性社員
女性の時代なんてことが言われます。実は私が新入社員だったバブルちょい手前ぐらいの時代にも、そんなことが言われていました。女性ターゲットマーケティングなんていう言葉も流行っていましたし、「今、どれぐらい、『女の時代』なのかな。」なんていう広告コピーもありましたね。女性が消費を主導し、それに男性が引っ張られるといったふうな「画」が描かれていました。
で、当然のように仕事でも女性の感性が必要ということで、とにかく女性社員に意見を訊くということが一般化してました。
今、電車オタ的にいえば、西武の30000系電車が「女性社員の意見を取り入れてつくった」などと言われてますけど、その手の事例が数限りなくありました。
私などもよく、客先に打合せに行く際には女子社員を連れて行けと上司から言われてました。客先で「女性の意見を」と言われたときに対応するためです。一度、とある女性社員と客先の最寄り駅で待ち合わせしたら、真っ赤なサテン地のボディコン(死語)で現われ、かなりびびったことがありますが、先方もびびっていたことでしょう(仕事自体はそのときは上手くいきましたが)。
まあそんなこんなで当時はわりにイメージとしての女性の時代だったと思います。
ただ今は、リアルな女性の時代にだんだんなりつつあります。つまり世の中全体から、男性的な威張ったりだとか怒鳴ったりだとかということがどんどん排除され軽蔑され、意味がなくなっているのですね。
いや、これは本当にそうで、いつぞや池上彰さんが子どもの頃、郵便局に行くのがこわかったと言ってましたが、これは私にもすごくよくわかるのです。
私なども中学生くらいの時、国鉄のみどりの窓口できっぷを買うのがこわかったですもん。鉄オタだったので、家族旅行などのきっぷを買うのは私の仕事だったんですが、一度、窓口の人に「指定席満席だからグリーン車取っといてあげたよー」と言われて、「グリーン車なら要りません」と言ったら、「そんなの困るよー」とすごまれたことありますから。さすがに「この貧乏人!」とは言われませんでしたけど(笑)。
今じゃこんなこと考えられないですよね。みどりの窓口の職員なんて、あの頃を知る人間からすれば「神」ですもんね。
もう威張るおっさんはお呼びじゃないのだ
それはともかく、リアルな意味での「女性の時代」です。
たとえばSDGsなどでも女性の視点から解決しなければならない問題も多々ありますし、受容と協調の時代なんていわれるなかで、そうした女性の特性がクローズアップされるようになっています。それは、私が新入社員だった頃のお題目ではなく、真実でだんだんそうなっているのだと思います。
で、逆に言えばそれはオヤジ力の衰退ということを意味しています。中年オヤジがリストラされて再就職の面接で何ができますかと訊かれ「管理職です」と言うギャグ(?)がありますが、その手の「管理」みたいなことがもう世の中からどんどん排除されています。威張ってればそれで務まる仕事はありませんということです。
私のような定収入皆無のフリーランスの世界では当然と言えば当然ですが、同級生で一流企業の役職に就いてる人間でも、プライド捨てないとどうしようもないと言ってますもんね。
ジジイ特有の言動は、たとえばやたら電話をかけるといったようなことも含めて、もうそれだけで老害だと認定される時代です。
で、そうしたときにやはり酒は邪魔になる、というと断酒者のご都合理論にまたぞろなってしまうのですが(笑)、酒を飲む人間と、やたら威張るおっさんというのはわりにイメージとしてはかぶりますよ。
そして、女性は飲酒率が高くない、というかそもそも肝臓が男性よりも小さく酒と親和性が高くないということも、あるいは女性の時代と関係しているのかもしれません。
ともあれ、世の中が女性化、ソフト化していくなかで、酒の居場所も小さくなるのかもしれません。都合よく考えればですけどね(笑)。