酒やめて、2060日。
高額療養費制度があるから医療保険は必要ない!?
今回、がんの疑いがあると診断されて切除することになったのですが、それを人に話すと、わりに訊かれたのが、がん保険、あるいはがん特約のある医療保険に入っているかどうか、ということです。
世の中ではがん保険を使ってがんを治すということが一般化しているのかもしれません。コマーシャルの影響もあるでしょう。「生きるための保険」と謳っているところもありますし。
で、結論から言えば、私は入っていません。生命保険の類は、今は年金型だけです。したがってまったくの無防備でがんになってしまったということです。
なぜ医療保険の類に入っていなかったかというと、やはり意味がないと思うからです。高額医療費は高額療養費制度で賄えるという常識があるからですね。
ちなみに、こうした制度は「一度自分で立て替えて、自分で申請して数か月後に給付がおりる」というのが日本の場合一般的で、厚生労働省のホームページにもそのように記してあります。ただし、病院によるのかもしれませんが、私が手術&入院する病院では、上限の金額を窓口で支払えばいいだけだそうです(そう聞いた。支払いの状況は、その時になったらまたご報告します)。
そして上限は所得によって決まっていて、厚生労働省のホームページには収入として「約」付きで紹介しています。たとえば年収約370~770万の場合、80,100円(医療費-267,000)×1%で、支払いが2か月間にまたがったとしても最高で16万円みておけばいい、ということですね。これは所得ベースから割り出した収入なので、個人事業主で青色申告でフルに控除を受けていれば、たとえ年収約370~770万でも、さらにその下の区分である57,600円にすることもあるいは可能かと思われます。むろん個室を希望したりして、その場合の差額ベッド代などは対象になりませんが。
じゃあ、がん保険の何がいいかというと、がんが発覚した時点で一時金(100万円というケースが多い)がもらえ、後は入院一日につき1万円なりが出て、保険外治療となる放射線治療などもカバーできるということですね。(保険が効く)抗がん剤治療はかなりつらいといいますので、これは魅力の一つかもしれません。
と、このようなことを前提に、その支払額が月々5000円だとして、それをどう考えるか、ですよ。
理不尽に遭っても「タダじゃ起きん」ための準備をしておきたい
ちなみにFPでテレビなどでもおなじみの横山光昭先生は、家計費では保険と携帯電話の二大要素をまず見直すべきものとして挙げています。
私は実際に横山先生にお会いしたことがあり、その理路整然さと弁舌爽やかさに、すっかり感服してしまいましたので、その教え(?)に従っているわけです。ちなみにそのとき同行した美人女性記者も「素敵な方ですねー(ハート)」と感想をもらしていました。そら主婦に人気が出るわけだわな。しかし、おっさんであれだけ爽やかな方も珍しい……。
というわけで医療保険の類は入っておらず、別に後悔しているわけでもありません。
むろん、がん保険なりの医療保険に入っている人も多く、たとえば娘の会社の同僚はがんが見つかったのだけど、その数か月前に、おそらくお付き合いだったのでしょう、がん保険と契約していて、その結果、給付を受けだそうです。
日本人の2人に1人ががんになるといいますが、それはある程度、高齢になってからですよね。やっぱり現役年齢でがんになるとは理不尽だなあと思ったりもするわけですよ。そうしたときに、一時金が下りるのは、高額療養費前提に考えれば、金銭的に助かるというよりも、まあ「臨時収入」です。平安時代の受領が転んでも土をつかんだ、その「土」にあたります。
そして「転んでもタダじゃ起きん」の一つに一時金がなるのは存外大きいのではないか、と思うのです。それが、おおげさにいえば、理不尽に立ち向かうための勇気のトリガーになるからです。
だから一時金じゃなくてもいいのです。私の場合、がん保険には入ってなかったけど、このブログを書いている。そのネタができたでーというのも「タダじゃ起きん」の一環です。入院経験4回の断酒友も、入院はネタの宝庫ですぜぃ、と言ってましたし。
人生はおうおうにして理不尽なことがふりかかる。その理不尽を「タダじゃ起きん」にするための準備をしておくというのが大事だなあとあらためて思うわけで、それはやっぱり酒飲んでいるよりも飲んでない方がしやすいだろうと。
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