酒やめて、2330日
介護システムは飲酒習慣を受け入れられない!?
ずいぶん前に「飲酒習慣があると、老人ホームにも入れないという衝撃の事実!」という話を書かせていただきました。飲酒習慣があると現在の介護システムには乗らず、要は切り捨てられた民になるってことです。これは父の介護を通じた実体験であり、やはりショックでした。
でも、仕方がないことなのかもしれません。介護システムというものは、歳をとるとだんだん酒量が減り、やがては飲まなくなることを前提にしているのでしょう。ただし、うちの父はじめ歳とっても現役時代と同じように飲んでる人間は山ほどいますけどね。だから実態にそぐわないのですが、その実態を知っていながら、ある種確信犯的に切り捨てられた民を生んでいるのかもしれません(ひがみ)。
ま、ひがみ抜きで考えれば、飲酒高齢者を受け入れて問題になるケースがこれまで多々あったのでしょう。いわば経験則的にそうなっていったというのが、事実に近いと思われます。
だから介護に関してはまあわかる、と。ただし今回経験したのはそれ以上にショックなことだったので、備忘録じゃないけれども、ここに書き留めておきたいと思います。ある強い意思を持って。
それは父のことなのですが、先週からちょっと様子がおかしくなり自立歩行ができなくなったのですね。訪問看護ステーションと在宅クリニックに契約しているので、とりあえず看護ステーションに連絡して点滴を打ってもらうことになり、5日間続けました。ただ、その間にもどんどん弱っていくのです。バイタルとかそういう身体上の問題はないそうです。なのに、要するに寝たきりに近くなったわけです。
もともと食が細く、そのわりには飲んだくれていて、だから栄養失調と電解質不足が重なったと考えられ、訪問看護師さんも体力回復のために入院したほうがいいと言い、包括支援センターの担当者もそのような意見でした。
医療システム上もNGですと!?
そこで在宅クリニックの医師に電話してみたら、木で鼻をくくったような答えでした。つまり「飲んでるんでしょう。それじゃ入院できないよ、本人も入院する気なんかないんでしょう」と。
結局のところ、それが医療界の総意なのでしょうね。そういえば同じ医師から、飲んで倒れて救急車で運ばれた人間は、救急医はまともに相手しないよ、とも言われたことがありますから。
そこで私は、あの悪名高い(?)赤河医師(@『今夜、すべてのバーで』)の有名なセリフを思い出してしまったのです。
アル中にはマンドリンが1番なんだ。手が触れていいトレモロが弾けるからな
『今夜、すべてのバーで』は自叙伝とはいえ「おはなし」ですから、一緒にしちゃいかんのでしょうが、ただ、こうしたセリフに代表されることにように、飲酒習慣がある人間は、介護だけでなく医療からも切り捨てられた民になっています。
むろん病気(肝硬変など)があれば医療を受けられるのでしょうが、なんとなく不調だ、あるいは手足の自由がきかなくなった、それがどうも飲酒のせいもあるようだ、では、入院させてもらえないのです。素人目にはどう見たって入院したほうがいいし、訪問看護師さんもそう言っているのにもかかわらず。
むろんこれはオンリーワンエビデンスですが、ただ一つ言えるのは、飲酒していると、このように何かと不利になってしまうということですよ。
今回、飲酒習慣があると、介護システムはもちろん医療システムにも載らないことにあらためて愕然としてしまった次第でございます。この件については明日、医師が急遽往診してくれることになったので、また後日談もあるかもしれませんけれども、飲酒習慣vs医療システムについては今後も書いていきたいと思います。
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