酒飲むと「社会的寿命が縮まる」のは、飲酒癖を他者に恣意的に運用されたりするからでもあります。

酒やめて、1954日。

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「一滴でも飲むと脳が劣化する」は常識になってしまった

一昨日、「「寿命が短くなる」よりも、「社会的寿命が短くなる」方がよっぽど恐いのだ。酒によって」といったことを書かせていただきました。この点についてもうちょっと深掘りしたいと思います。誰にも頼まれていませんけど。

酒はほんの少量でも脳を劣化させる。このことが最近の研究によって定説になっています(参考「「酒をちょっとでも飲むと脳に悪影響をおよぼす」が常識になりつつある世の中だから」)。一方で「適量」というものもあり、それでさえ最近は「そんなんだったら飲まんほうがましやあああ」レベルになっている(参考「適正飲酒者、機会飲酒者への見果てぬ夢」)けれども、その「適量」はあくまでも内臓に対して、です。脳に対しては「適量」はないということですよね。

だから酒死ぬまで働け~の時代と飲酒習慣は徹底的に相性が良くないという話は、何度も書かせていただいています。死ぬまで働くためには、死ぬまで脳を劣化させない、あるいはあくまでも加齢分だけの劣化にとどめるというのが必須条件になりますから。

このように酒は脳を物理的に劣化させますが、それよりもさらに怖いのは「一滴でも酒飲むと、その分、脳は確実に劣化する」が常識化した結果、それを恣意的に運用する人間がいるということです。

私なども飲酒時代、お前はアル中だ脳が劣化してるとよく言われていました。で、私自身に言われるのならともかく、「あいつはアル中やでー」と周りに吹聴されるのですね。これが厄介です。

そうすると、全然関係ない人から、唐突に「そうだったんですか」とか「やっぱり手が震えるんですか」とか聞かれるんですよ。いや、マジで。焦ります。吹聴されてるから、それがめぐりめぐってそういうことになるのです。

酒にまつわる知識が広まると、ますます酒飲みは追い込まれる!?

いや、吹聴している人間に悪気はなかったと思いますよ。ネタにしていただけです。ただ悪気がないから気軽な気持ちで吹聴する。そうすると、周囲からはそのような目で見られ、私のようなフリーランスであれば受注の減少にもつながります。あいつの脳は酒で劣化していて仕事頼んでもなんかやらかすかもしれないし納期もしくじりそうだから頼まないでおこう、ということになりかねません(てか、おそらく一部そうなっていたでしょう)。

で、これを組織社会でやられたらたまったもんではありませんよね。しかも悪意を持って。

いや実のことを言えば、私も悪意を持ってやったことがあります。相手が妹だから良かれと思って、なのですが。

高齢の父のことで私に対して妹がやったらプンプン言ってくるので、お前、最近怒りっぽいな、酒飲みすぎなんじゃないの? と指摘したことがあるのですね。黙ってしまいましたけど。もしかしたら図星だったのかもしれません。

と、このように「〇〇だな、酒飲みすぎなんじゃないの」は恣意的に運用されやすい、運用できるものです。そして繰り返しますけれども、そのベースに「酒飲むと脳が劣化する」という常識があります。だから酒飲みというのはどんどん立場が悪くなってしまうのですよ。「社会的な寿命が縮まる」には、酒による物理的な劣化+このような周囲の指摘(悪意?)というのもあると思いますね。

まあだからやっぱり損ですよ、飲酒は。酒にまつわる医学的知識が浸透するにつれ、ますます飲む人は色眼鏡で見られ、酒の「損度」が高まる、と。そういう構造になっているのではないでしょうか。

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