酒をやめる、それだけで世界は微笑んでくれる。こんな割のいいディールはないという話。

酒やめて、1199日。

なぜ、ハリウッドセレブは酒をやめるのか

昨日、断酒ブーム、しらふブームについて書かせていただきました(参考「「断酒ブーム」「しらふブーム」マジでキター! なのでしょうか」)。これはアメリカ発のものだそうです。それが日本には伝播してきてるんじゃないかという仮説ですね。いや、断酒者として都合よく言ってるのではなく、テレビでも取り上げられましたし、こんな記事もありますので一例としてリンクしておきます(参照「「しらふ」を好む若者——世界的に起こっているアルコール離れ。求められる「酒」感覚とは?」)。

あるいは町田康さんの『しらふで生きる』が、この手の本にしては異例的なヒットになっていることも断酒ブーム(仮)を裏付けているのかもしれません。

さて、アメリカではなぜ「酒イケてない」になっているかというと、その背景のひとつにはハリウッドのセレブたちが続々と酒をやめていることもあるでしょう(参照・断酒友のブログ「ファビュラスな断酒仲間♪」)。では、彼らがなぜやめてるかといえば、もちろんそれまで深刻な依存症だった人もいます。そしてその酒を飲まない自分を含め全人格的に世の中と対峙していく姿をファンに見せ、それが共感を呼び、依存症がそれほど深刻でない人にも波及しているものと思われます。

アメリカという国は自分で自分を律することが非常に大きな価値観を持っているようですから、そういう意味でも、酒飲まないということは、彼らの考える「イケてる」に合致しているのでしょう。

当然ながら自分で自分を律することは、日本でも大きな価値を有します。アメリカのセレブの場合「アピール」でもありますが、日本の一般人では、それはもはやサバイバル条件です。

もはや断酒はサバイバル条件!?

日本の場合、とくにストロングゼロをはじめとしたRTD飲料の宅飲みは貧困と結びついていると言われます。可処分所得が少ないために、それが一番安くて手軽なレジャーになるというわけです。ストロングゼロが福祉と言われる所以ですね。

ただ当然ながら、酒を飲んでいると貧困から脱出するチャンスも遠ざかります。いつも書き連ねていますが、飲酒行為そのものが貧困へと導いてくれるのです(参考「老いと貧困と酒は、手に手を取ってやってくる」)。

飲酒は時間を大量に奪い、仕事と酒を飲む以外の何もできない生活に陥ってしまう。だから自分を向上させステップアップさせていくことができない。また、酒を飲むことは経済的にも経験チャンスを奪いますから、その経験を糧にステップアップすることができません。

と、偉そうに書いてますが、自分がまさにそうだったのですごくよくわかるのです(参考「酒ばっか飲んでると、行く店もモノラルになり経験値が低くなっちゃうよ!」)。

でも、たとえば雇用が保障されていて、会社にいる時間さえ酒を我慢して何とか仕事をこなしていればいいという社会状況であれば、酒を飲んでもいいと思います。そういうふうなことが許された、我々よりも上の世代が本当にうらやましいです。でももう我々はそうじゃないんだということを、どうしても自覚してしまいます。

我々世代でさえ早期年金受給すると雀の涙ですので(笑)、やっぱり何とか70歳くらいまでは働きたいと思います。政府がありがたいことに(もちろん皮肉ですけど)2千万円必要だとか年金支給開始延長だとか定年延長だとか言ってくれてますしね。国の制度ももちろんそれを指向してるわけですよ(参考「ついに政府による正式な「死ぬまで働け」宣言キター! ほんとに酒飲んでる場合じゃありません」)。

そういう非常に不安定な状況の中で真っ先に排するべきものというと、以前の私のようなアル中、そして過飲酒を自覚している方にとっては、やはり酒ということになるでしょう。

これは決して我田引水理論ではなく、社会構造的にそうだと言えますし、またうれしいことに、酒やめる、それだけで、社会は我々に微笑んでくれるようになっています。「酒やめる」は人生設計において、めちゃパフォーマンスがいい行為でもあります。

このことの意味は、当然、今、これを読んでくださっているあなたが若ければ若いほど大きい、ということになりますね。

にほんブログ村 酒ブログ 禁酒・断酒へ
にほんブログ村

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする