すぐに得られる成功体験と、人生を支えてくれる成功体験と。

酒やめて、2156日。

「酒飲んで上手くいった」がヤバいのですよ

ちょっと前に「酒やめて、「すぐに得られる快楽」では満足できない脳になってしまった件」といった話を書かせていただきました。そして、この「快楽」を「成功体験」に置き換えてもまったくもってしっくりくることに気づいてしまったのです。今さらですが。まあ「今さら」は私の常であり、断酒して初めて気づいたことが多すぎてびびってしまいます(苦笑)。

ともあれ、「すぐに得られる快楽」「すぐには得られない快楽」と同様に、人生にはすぐに得られる成功体験とすぐには得られない、しかし人生を支えてくれる成功体験の2種類があります。

すぐに得られる成功体験とは、まさにビートルズいうところの、with a little help of my friendですよね。ビートルズやあるいはマッキーの場合は薬物ですけど、いわゆるクリエイターと呼ばれる人たちが酒や薬物の力を借りて一時的にハイになり創作力がアップする、つまり「創作の神が降臨する」ことはよく知られていて、これは太宰の昔からの古典的な手法だったのでしょう。

私のような市井の者でも、たとえば結婚式で司会をやるにあたって一杯やったので上手くできた(参考「物事に真面目に対処しようとすればするほど、酒にとらえられてしまう罠」)とか、あるいは酒を飲み始めたころに、普段は陰キャなのに酒飲んで陽気になり気の利いたことが言えて人を笑わせたとか、そういう成功体験はあるわけですよ。そして成功体験が飲酒習慣を深化させる面も確かにあり、それが行き着くところは「酒の力を借りないと世間に出ていけない」です(参考「あの朝、見かけた「ご同輩」たちは今どうしているのだろう。余計なお世話ながら」)。

肩で風切って生きていけるのであった!

一方、すぐには得られない成功体験というのもあって、そう、断酒であります。断酒者理論かもしれませんが。

断酒は、一日酒を飲まなかったことでも成功体験であり、自己肯定感を醸してくれます。そして、それを積み重ねると、すぐにではないけど、だんだん人生が好転し、それを断酒していることと結びつければ(実際、結びついているのだが)リアル成功体験になります。

でもってこれも以前書いたことありますが、私のようにそれまでの成功体験が極めて少ない人生を送ってきた者にとっては、断酒による成功体験は、自分の中でのプレゼンスがめっちゃ大きいんですよ。

これは酒による一時的な成功体験と異なり、しっかりと人生に結実していくものだと思います。綺麗ごとに聞こえるかもしれませんが、事実でもあります。

その成功体験がもたらした自己肯定感があるからこそ、自分の人生なんだから自分の好きなことをやってもよかろうという確信を得ることができ、なんというか肩で風を切って生きていける。私などは、酒をやめるまでは肩をすぼめて人生を歩いてきた人間なので、この颯爽感たるや非常に気分が良い。そう、単純な話、気分が良いのです。

で、これなかなか手放せないな、と改めて考えたりするのであります。まあこの歳になってそんなことをブログに書くのも恥ずかしいけど、実感だから仕方なかろうもん。

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