そもそも人間は「中毒」状態を必要とする動物なのだ。だったら……。

酒やめて、1313日。

「中毒」になるのはその人が悪いわけじゃない!

一昨日、アル中とアルカスの関係について書かせていただきました(参考「アル中、あるいはアルコール依存症と「アルカス」との複雑な関係」)。基本的には、どんな中毒であれ、中毒に陥ってしまうのは本人のせいではないと思うのですね。ですからアル中だからといってヘイトされる謂れはありません(参考「アルコール依存症だけ不当に「差別」されるんなら、もう酒やめて見返すしかないでしょ!」)。ただし、アルカスはヘイトされるべきです。

つまりですね、そもそも人間の脳というのは中毒状態を必要としていると思うのですよ。アル中はそのなかのひとつですが、他にも摂取物でいえばニコチン中毒や麻薬中毒などがありますし、行動としてはギャンブル中毒やお買い物中毒、セックス中毒など、これもいろいろあるでしょう。

そして、世の中にはカスになる中毒とならない中毒があります。アル中やパチンコ中毒は「カス」化する確率が高いものです。中毒になることそれ自体は、ある意味、人間という高度に発達した脳の持ち主の宿命だったりすると思われますが、「カス」になるのは、人間という高度に社会性を発達させた動物としては「いかん!」ということですよね。元アル中、元アルカスとしては、かように考えるわけです。

ともあれ人間の脳は、中毒というと言葉は悪いですけれども、常に快楽物質が出る状態を求めています。そしてこれも以前も書かせていただきましたが、それを求めるあまり、アルコールやパチンコに走るのはもちろん、ときとして説教したり、いじめを行ったり、あるいは戦争起こしたりするのかもしれません。

で、繰り返しますが、快楽物質を脳が求めるのは人間にとってデフォな状態なのではないか。ですから中毒にしてくれるもの、その媒体を何に求めるかというのが、社会生活を送る上で非常に重要なのだと考える次第であります。

たとえば仕事に熱中する、いわゆるワーカホリックは、仕事があるから生きていけるわけですよね。多くの人はそういうふうにして、意識するせざるに関わらず、自分のなかの中毒欲と折り合いをつけているのでしょう。

そう考えると、「カス」化しやすいアルコール中毒を「カス」にならない中毒で代替する必要がある。ちょうど、戦争の代替としてオリンピックやワールドカップがあるように。

代替行為でもそこそこ快楽物質は出るもんです!

そうなのですよ、カスにならない中毒というのも世の中にあります。以前もお薦めしましたけどサーフィンもかなり強烈な中毒状態を持たらすものです。でもカスにはならない……まあ、波乗りカスはいそうではありますが(笑)。

アル中→断酒者がよく代替として求めるのはランニングだったり筋トレだったりしますが、これらはカスになりにくい中毒状態をもたらしてくれるものとして位置づけられます。

このブログでも何回も書かせていただいてますが、ランニングや筋トレのような簡単なものでも中毒になれるんです。あえて「なれる」と言わせていただきます。もちろんその中毒状態、つまり脳内快楽物質が出てる状態、ネット用語で言えば脳汁が出るということなんでしょうけれども、それは酒を飲んでいるときに比べれば非常にマイルドです。

だから私なども飲酒時代は、筋トレなんかで脳汁が出るわけねーじゃねーかなどと思っていました。しかしこれが、少ないながらも出るんですねー。そして恐ろしいことにというか嬉しいことに、人間の脳というのものはそれに慣れてしまうんです。ちょっとした脳汁でもそれを喜びと感じるようになれるんです! ここに代替行為というものの意味があると思います。

結局のところ、脳汁の出方、その感じ方は相対的なもので、それで満足できるように人間の脳はなってるということじゃないですかねー。ですから酒をやめて何か代替を見つけたとしても、それはそれでいいや、そんなもんでいいやと思えるんです。その真実(?)を知ることが断酒の一つのきっかけになり、それに慣れることが、断酒を続けるポイントになったりするのではないかなあと考える次第であります。

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