「酒飲んで嫌なこと忘れよう」は、大ウソだった件。

酒やめて、1272日。

酒による成功体験が実はヤバい!

もちろん人間ですから生きている以上、嫌なことはあります。で、それとどういうふうに折り合いをつけていくかは、人生の永遠かつ深遠な課題なのでしょう。「こころ」は、本当に厄介なものですから(参考「三浦春馬さんの死に際して元アル中として思う。「こころ」なんてものは簡単にその宿主を裏切ってくれるよね」)。

非常に古典的な解決方法として、酒を飲むことがありますよね。もちろん私もそういう解決法が大好きでした。酒でも飲まなきゃやってられないことが人生には多すぎるというわけです。

でもそれで本当に解決になるのか。この辺はもちろん人にもよるでしょう。

たとえば、私は経験ありませんが、酒を飲んでも週末だけ、みたいな人が、嫌なことがあって一回、酒を飲む。というのはわりに忘れられるんじゃないかと思います。ただしその「成功体験」が重なると、飲酒が習慣化し、やがてアル中、アルコール依存につながる危険性は十分ありますけどね。そうなんですよ、酒による成功体験(「嫌なこと忘れられた、も当然、その一つです)は、アル中の入り口です(参考「物事に真面目に対処しようとすればするほど、酒にとらえられてしまう罠」)。

そういうわけで、飲酒習慣がない人でもあまりお薦めできない解決法なのですが、飲酒習慣が進むと、そして毎日飲むようになると、酒は「嫌なこと忘れる」の解決法にはまったくなりません。それは経験上、はっきり言えます。威張ることじゃありませんが。

毎日飲むようになっている場合、とくに一人宅飲みの場合、ますます気分が落ち込むというふうにパターン化します。で、それが嫌で、当然ながらもっと飲みます。そしてパッパラパーになり、記憶がなくなります。確かにその時点では、忘れられます。嫌なことどころか、全部忘れられます(笑)。そして翌朝、思い出してしまった嫌なこと×酒による(正解にいえば酒を解毒することによる)セロトニンの欠乏がもたらすうつ状態で、絶望の二乗になったりします。

ちなみに今、そのことを思い出しただけで、また酒飲もうという気にはまったくなりません。

酒以外の成功体験があれば人生無敵!?

ともあれ、最初は嫌なことを忘れるために飲み始めた酒が、嫌なことを助長するようになってしまうのですね。これは人生において、かなり嫌なことです。

いつぞや書いたように、まったく不思議なのですが、酒をやめると嫌なことを避ける力が自然と身に付いていきますので、そもそもあまり嫌なことがなくなります(参考「酒やめると、メンタル損傷マターを上手に避けられるという話」)。

それでもそういったことにぶつかる時も当然ながらあります。そうしたときは、「時間に解決を任せる」。あるいは案外効果的なのは走ることですね。筋トレもいいです。私の場合。

運動部の連中が、部活やると嫌なことを忘れるとよく言っていたのを思い出しますよ。それは本当だったのですね。というか彼らは、それを人生のなかに組み入れ、上手く自分の心と折り合いをつけていたのかもしれません。そうしたことが成功体験になっている人は、酒に頼らずとも生きていけるのでしょう。

酒以外で嫌なことを忘れる成功体験を早いうちに培うというのは、わりに人生において大切なのかなあということに今さら気づいた断酒者であります。

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