酒やめて、1135日。
新型肺炎に関連して、カミュの『ペスト』が激売れしているのだそうです。言うまでもなく、人類史上最悪のパンデミックを引き起こしたペストをテーマにした小説です。うちの近所の本屋さんでもオススメ本のコーナーに置かれており、最初、なんちゅーあからさまな商売を、と思いましたが、社会現象ということで納得しました。
朝日新聞編集委員が「コロナ痛快」で就活生を妨害!?
読んだわけではないのですが、『ペスト』にはこのような一説があるそうです。
世間に存在する悪は、ほとんど常に無知に由来するものであり、善き意志も、豊かな知識がなければ、 悪意と同じくらい多くの被害を与えることがありうる。
なるほど~。これって今の日本の状況と同じですよね。今はメディアによって「無知」はもちろん、なんらかの意図を持った「情報」が拡散されている分、『ペスト』に描かれた当時よりも悪質かもしれません。コロナ危機は今や、感染症問題であることを超えて経済問題なのは明らかですが、この意味においてはやたら不安を煽ったメディアの罪はマジで重いと思いますねー。
その典型ともいえるのがこれです。
朝日新聞編集委員の小滝ちひろが「コロナが痛快」ですと。くり返しますがコロナ危機にはこのようなメディアの加担があるわけで、これは罹患した人は当然ですが、コロナ危機の犠牲者、たとえば内定取り消しになった人をも深く傷つけ、さらには今、必死で就活してい人の足を引っ張る行為です。その一方では「朝日を購読していると就職に有利」「朝日を購読していると受験に有利」とアピールしているのだから、なにをかいわんやです。学生を支援する大学の就職課は入試課に対して、今後朝日新聞を利するような入試問題は絶対に出題しないよう強く申し入れるべきだと思います。
ともあれコロナでこうした輩が浮かび上がってきています。
生活者の視点で見てもそうです。やっぱりいまだにティッシュやトイレットペーパーに殺到していますもん。で、歩道を歩いていて、チリンチリンチリーンと後からオラオラで来る自転車をよけると、老人が籠にトイレットペーパーとティッシュを満載していたりするので、あーこういう人が、何軒も回って家に積み上げているんだろうなあと思ったりもします。
もちろん偏見かもしれません。ただ、在庫は十分にあるとアナウンスされているのにこういう人がいるのは、やはり『ペスト』当時のメンタリティなのでしょうし、またコロナは人間の文化や社会性を試していると言ってもいいかもしれません。
人間として「進化」するために酒やめようという新提案!?
実は今、コロナ禍に限らず、世界はいろんな局面で行きづまっていて、それには社会が発展したがゆえの問題もあるし、旧来からの問題があらためて顕在化しているものもあります。それを、みんなが気持ちをひとつにしてなんとか解決しなければならなくなっている。対コロナもそうでしょう。
そうしたなかで、全体の最適解を考えそのなかで自分の幸せを追求しようという人間と、なにより自分が最優先で他者の揚げ足を取るだけが得意な人間に、人類は今後、分化していくのではないでしょうか。
今回のコロナ禍でいえば、全体を見渡し冷静に考える人と、頭のなかが『ペスト』の頃と変わらず、危機を煽り煽られたあげく増幅させる人(メディアがその典型)です。そして世界の今後を考えると、やはり全体の最適解を考える方向に、個人も「進化」する必要があると思われます。SDGsなどはそれをうながすものと言っていいですよね。世界中のみんなが、自分だけが良ければいいという考え方をいったん排して、とりあえず大多数にとっての最適解を探っていく姿勢を持とうよってことじゃないですか。ですからそこから一番遠くにいるような国で新型肺炎が発生したのも逆に示唆的です。
さて、SDGsといえば、たとえばスターバックスが紙ストローにし、その利用者が環境に思いをいたすようになったのは、一本の動画(Sea Turtle with Straw up its Nostril)からだと言われています。世界を変えた動画ですね。
そして日本のメディアはまったく指摘しませんが、世界のプラゴミの排出量のワーストワンは中国です(参照「海ゴミの出所を特定、1位は中国」)。ですから今回の災厄が中国発というのも、わかる気がするのです。
いずれにしても私たちはもうなんらかのかたちで踏み出さなければいけないんですよ。世界のために、そして次世代のために。だからといって私自身に何ができるかわからないのですが、ただ酒を飲まないというのも、それこそ『ペスト』に描かれていたような古い世界や価値観、あるいはジコチューから脱し、新しい世界に踏み出すことの、自分なりの証明のような気がしているのです。都合のいい理屈と言われればそれまでですけどね(笑)。