酒やめて、1133日。
なぜ歳をとると涙もろくなるのか
先週の土曜日だったか、人気番組「チコちゃんに叱られる!」で、チコちゃんが「ねーねーオカムラ~、歳をとるとどうして涙もろくなっちゃうの」と質問をしていました。これについては、これまでチコちゃんの質問に答えられたためしがなかった私にも、だいたいの予想がつきました。多くの断酒者も同じではないでしょうか。つまり歳をとると、感情のコントロールができなくなるからです(正解!)。
「多くの断酒者も」としたのは、感情のコントロールが効かなくなるという老化疑似体験を、酒飲み時代に経験していると思われるからです。そう。過飲酒者は、飲んでいないときも感情過多になりがちです。ですから、しつこいようですが飲んでないときも涙もろくなります。過飲酒による脳の変容(ぶっちゃけ劣化ですね)と老化によるそれとは非常に似ている――というか、感情をコントロールする前頭葉が委縮するという物理的な意味ではまったく同じでしょう。
で、極端な話、酒をやめると、一転、涙もろくなくなります。これは実体験としてそうです。すべてにわたって冷静になれるのです。昨日、酒によって劣化した脳機能は戻らないと書きましたが、これは定説です。ただ個人的には、性格がエモーショナルからコントローラブルになったという実感は確かにあります。すべての感情をUnder Controlに置けるようになったのです。かっこつけて言えば、ですが。これがいいことなのか悪いことなのかわかりません。
自分自身酒をやめて、ある意味冷徹な人間になったなあとは感じます。いつも書いている通り、執着心がきわめて薄くなったことと表裏一体のものなのかもしれません。
飲酒習慣を重ねることは人間の衣を脱いでいくこと!?
ちょっと話が先走り過ぎてしまいました。チコちゃんの質問に戻します。歳をとると感情のコントロールが効かなくなるのは、昨日書いたように(参考「そこの飲んだくれの方、「それでも家に帰れている」はエビデンスになりませんよ!」)、人間の脳というタガが外れ、イヌの脳がむき出しになってくるということですよね。ですから歳とって涙もろくなるのは、歳とってキレやすくなるのと根っこは同じなのです(参考「「キレる老人」には、やっぱり酒が関係していた!?」)。
で、先に書いたように、老化も酒による劣化も同じだと言いたいのでありますよ。飲酒習慣を重ねていると、飲んでいないときでもイヌの脳、ワニの脳がむき出しになり、涙もろくなったり、怒りっぽくなったりするのです。そしてお気づきの通り、加齢×飲酒習慣は、これを加速させます。
加齢のことはひとまず措いたとしても、飲酒習慣を重ねると人間はどんどん動物化する……と言い切ってもいいんじゃないでしょうか。なんというか、人狼になってしまうのです。もう「スリラー」のプロモーションビデオにおけるマイケル・ジャクソン状態(youtube)ですよね。マジ、こわいです。まだ人間でいるうちに酒やめられてよかったです(笑)。