酒やめて、3172日
ノンアルはやっぱり有望市場だった!
キリンビールが出したノンアルコールビール「キリンラガーゼロ」が話題になっていて、Xのトレンドにも登場しました。曰く、ホンモノのビールに極めて近い、と。
この「ホンモノのビールに極めて近い」は、ノンアルコールビールが登場した頃からの惹句であると同時に到達目標であり、そこを目指して各社頑張ってきたわけですが、「キリンラガーゼロ」はその決定版のような扱われ方をしています。実際、私も飲んでみましたが、確かにそう思わせるものがありました。ただ個人的には、その前に出たアサヒゼロの方がホンモノ度は高かった気がしますが、この辺は個人の好みでしょう。
こうしたことでもわかるように、ここに来て、ノンアルコールというジャンルに対してのメーカーの本気が、コマーシャルなどの露出さの多さも含め、かなり目立ってきています。市場としても有望という証でもありますよね。
さて断酒に際して、ノンアルコール飲料を用いるかどうかについては、「問題ない」「再飲酒のトリガーになる」の二極に断酒者業界では分かれています。これは、むろん体質的なものもあるでしょうが、個人の断酒に至った背景のようなものが関係しているとも思われます。が、その辺のところは上手く説明できないので措いておいて(文章力問題)、とりあえず私は「ノンアルあり」派です。実際、断酒の初期段階ではノンアルの助けをかなり借りましたし、認知症が進行するからといって2年前ほどから断酒している私の父もそうです。ただし、父が入居している老人ホームのケアマネは「トリガーになる」派のようではあります。
ともあれ、ノンアルを是とする断酒erにとって、「極めて近い」はかなり助かることです。
とまあ、そのように酒造メーカーは技術的に努力している、と。酒造メーカー的からすれば、ビールはいくらでも飲める(飲めば飲むほど飲みたくなる)けど、ノンアルは1本で充分というところがビジネスモデルとして考えたときにあまり美味しくないのでしょうが、しかしそれでもそこに踏み込んできたというのは、繰り返しますが、市場がそれを覆すほどに(?)有望であるということなのでしょう。
むろんそれは、世間の趨勢でもあるわけですよね。
スムージーよりも食物繊維量が多い「ノンアル」があった!
実際、(アルコールの入った)酒を飲んでいると何もできなくなるからもったいないということは、若者の間では常識と化しています。また、社会や組織がなにも保障してくれない情勢のなか、とにかく自分の未来のために自分で何かやらなきゃならない(組織のためでなく自分のために馬車馬のように働かなくてはならない)世の中において、「アルコールを飲まない」が非常に重要な意味を持つとことは、このブログでも言及させていただいたおります。
時代は明らかに変わりつつあります。そしてさらにその事象を証明するような事実を発見しまして――。
それは、サングリアのノンアル缶チューハイが、難消化性デキストリンを含んでいることです。たまたま見つけたのですが、これって結構すごいことなのではないかなあと思うのですよ。難消化性デキストリンは人工的に生成された水溶性食物繊維で、機能性素材としてトクホにも利用されているそうです。
と、ここで上の写真を見ていただきたいのですが、そのサングリアのノンアル缶チューハイと「食物繊維たっぷり」と謳っているカモメのスムージーの成分表を並べてみました。ノンアル缶チューハイは「たっぷり」のはずのスムージー以上の食物繊維を含んでいるのです。これは驚いてもいいことだと思います。そしてその食物繊維の主幹を成しているのが難消化性デキストリンというわけです。調べてみると、ノンアルコールビールにも少量ながら難消化性デキストリンを含む銘柄もあり、逆に言えば「ビールじゃない」からこそ、そういうものが添加できるのですね(ビールに添加したら、麦とホップ原理主義者と山岡士郎とドイツ人が激怒するでしょう)。
そして、酒を模したノンアルがトクホ物質を含むということはですね、冒頭に挙げた「有望市場に対するメーカー努力」と同じか、それを超えてエポックメイキングなことなのではないか。やっぱり時代は確実に動き始めています。
ノンアルが健康飲料になる、つまり、酒さんを取り巻く世界が新しいステージに踏み出したのではないのかと、勝手に妄想or期待する次第でございます。
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