高樹沙耶「大麻よりもストロングゼロの方がタチ悪いやん」←これな。

酒やめて、1370日。

大麻と酒とどっちが有害か

四年前に大麻不法所持で逮捕された元女優の高樹沙耶さんがタイトルのような発言をし、一部で話題になっています。詳細はこちらにあります(参照「“大麻ツイート”をやめた理由をお話します……高樹沙耶が石垣島で語ったホンネ」)。件の発言は、引用記事のうちこの部分ですね。

「そもそも論で言えば、大麻に比べたらアルコールのほうが、よっぽど依存性があるし体を蝕む“麻薬”なんです。でも、日本では「ストロングゼロ」が堂々とコンビニで売られて、医療として有効な大麻が重罪として取り締まられてしまう、“あべこべ”なことが起きているんです」

これに対するネット世論はといえば、「正論!」としながらも、高樹さんの主張、つまり「大麻を解禁せよ」の論拠としてストロングゼロを持ち出すのはおかしいんじゃね? というのが主流のようです。

「正論!」という意見が示している通り、純粋に物質として大麻と酒のどちらが害が大きいかといえば、やはり酒なのでしょう。後で書きますが、このことはカナダの大麻解禁も証明していたりもします。

で、高樹さんが自らの主張を正当化するために酒をいわば「仮想敵」にしたことの是非はともかく、酒害の代表としてストロングゼロを持ち出したのは、要はストロングゼロが酒害のアイコンになっているということですよね。逆に言えばストロングゼロのような強烈な存在があるからこそ、ことさらに酒害というものがクローズアップされ、それを高樹さんも利用したという構図なのではないでしょうか。

そして、この高樹発言で思い出すのがカナダのことです。カナダは一昨年に大麻を合法化していますが、理由の一つに、アル中、アルコール依存症の社会的影響(医療費増大など)の低減もあるといいます(一番大きな理由は、反社会勢力の資金源になっているものを合法化して管理下に置こうというもの)。

大麻のよさ(?)はよく存じ上げませんが、ダウン系の麻薬ですよね。アップ系としてはコカインなどがあり、当然、覚せい剤もそうです。そしてストロングゼロは、明らかにアップ系です。つまり気合を入れるために飲む酒です。

アル中時代の私などは、前日の酒を分解するのに肝臓が忙しく幸せ物質であるセロトニンを生成できないために絶望的な気分になっている朝、キンミヤをストロングゼロで割ったスペシャル飲料を流し込み、何とか生きる勇気を得たりしましたからね。

断酒とは快楽物質を出してくれる代替行為を見つける作業!?

それはともかく、大麻も酒もどちらも「依存先」であり、そしてカナダの例で見るように、社会から酒害をなくすためには、代替の「依存先」が必要だということです。人間の脳というものがもう何かにアディクトするようになってしまっているのですね。それだけ高度で複雑すぎる社会をつくってしまったということでしょう。この大問題を解決できるのは、それこそAIが人間の社会行動のほとんどを肩代わりしたときなのかもしれません。

ですから断酒というものは、そのアディクトする対象を酒の代わりに何にするか、模索する行為そのものだったりします。

私の経験で言えば、酒の代替としては筋トレやラン、さらにはサーフィンがあります。これにスイーツ摂取を含めてもいいと思いますし、白米食いもそうでしょう。

このブログとしては、そうした代替行為による脳内快楽物質の出方が飲酒に比べて圧倒的に少なくても、人間の脳は徐々に慣れていき、それを快楽だと思えるようになる、と訴えてきました。

繰り返しますが、そこに気づく過程が断酒の過程だったように思います。そしてなんと仕事や掃除といった「嫌々」やるものでも、酒さえ飲まなければ、それなりに快楽物質を出してくれることがわかったりもしたのです。

実はその逆が戦争であり、戦争に参加している兵士の脳は、人を殺すことをなんとも思わなくなっていくらしいのですね。

やっぱり脳というのは厄介なものですよ。なんとかなだめすかして付き合っていかなければいけない。そのための方策を探すのが断酒であり、それは日常生活の中にもたくさんあるということになります。

冒頭の話に戻れば、「大麻か酒か」の二択で考えるから、話がおかしくなるということですね。

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