酒やめて、１１５３日。
Snow Man事件は、コンプライアンス地獄を象徴！？
ジャニーズのSnow Manというグループのリーダーである岩本照さんが未成年と酒を飲んだということで活動自粛だそうです。このニュースを聞いて違和感を持たれた方も多いのではないでしょうか。断酒者である私でさえそうです。
もちろんネットのニュースで読んだだけで全部を把握しているわけでもないし、実際に何があったのかわかりません。表面に出てきた事象だけでいろいろ言うのもなんですし、それ以前にまあ余計なお世話なんですが、ただ一つ思ったのは、酒飲むっていうのはほんとに割が合わないことなんだなあということです。
ニュースを前提とすれば、今回の一件にはいくつかの特徴があります。この人が未成年に無理やり酒を飲ましてエッチなことをしたとか、そういうことではまったくないのです。
①三年前のことだった。
②デビュー前だった。
③出席した酒席に未成年がいた。
④その事実を知らなかった。
これまでの酒スキャンダルとは、こうやって見てもかなり違いますよね。にもかかわらず活動自粛になってしまったのです。と、ここまで書いて調べてみたら、その飲み会はラブホテルで行われたものだとか。もちろんラブホテルといってもいろいろですが、そのあたりも影響したのかもしれません。
ただ一般の企業、あるいは大学生のサークルでも、別にラブホテル云々関係なく、同じことが行われれば、関係者になんらかの処分が下るでしょう。企業や役所が１８歳の新入社員を招いて酒席を設けるなんていうことは、たとえ飲ませなくてもＮＧです。
しかし思えば変わったものです。大学の文化祭が飲酒禁止になったということがニュースになりますし、早稲田大でも、大隈講堂の前で酒を飲む、伝統の「隈飲み」が禁止になったそうです。『青春の門』で伊吹信介しゃんが上京してきた頃とは大違いです。
私にしても、学生の頃は１８歳でも平気で飲まされてましたからね。そして先輩から「（ビールを持つ手が）重いんだよ」なんて言われて飲み干すことを強要されたりもしていました。映画『イニシエーションラブ』（２０１５年）でも、８０年代半ばの風俗（？）としてそういうシーンが出てきますので、ごくごく一般的なものだったでしょう。
人生のバランスシートにおける酒による負債はどんどん大きく！
そう考えると今のコンプライアンスの高さというか地獄度合いは半端ないです。
社会がまず高い社会規範を設定した上で、鵜の目鷹の目でそれに反する者を探し糾弾しようとしているようにも見えます。それに対して、たとえば黒鉄ヒロシさんは「（タバコ規制を指して）これは宗教弾圧と同じことですよ」と訴えています（参照「ついに「屋内原則禁煙」開始で何が起きるか ＷＨＯの次の狙いは「お酒規制」黒鉄発言はＰＣだと２ページめ」）。
私は黒鉄さんが昔から大好きで、その意見の的確さにも常々感服していました。そして言ってることはすごーくよくわかるんです。ただ、その的確な黒鉄理論をもってしてもだめなのです。それは、世間が厳しくなっているとか世知辛くなっているとか、過剰コンプライアンスであるとか、そういうことじゃないと思います。むろんそういう一面もあり、その尻馬に乗る輩もいるけど、本質はそうじゃない。
今の状況は一見窮屈に見えるけれども、女性や弱者の人権を守ったりとか、あるいは世界がサステナブルであるためには必要なことだと思います。みんながすこしずつ我慢しなければならない時代に突入したということです。窮屈だと言ってるのは、やはり旧世代の感覚なのかもしれません。
で、そうした中で飲酒行為にまつわるもろもろも当然ながらコレクトの対象になります。今回の件は、そのコレクト対象が拡大している証拠ではないでしょうか。そして有名人に適用されたことで、今後これが基準になるでしょう。つまり未成年がいる酒席に、それとは知らずに出席しただけでアウトということも十分考えられます。別に芸能人じゃなくても。
そう考えると酒席に出ることはもう本当にリスク含みで、引き合わないことおびただしいです。もちろん宅飲みだけに限定していれば大丈夫なのでしょうが、なかなかそうもいきませんし、飲酒習慣があればどうしても飲み会にも出たくはなります。だって楽しいですから。
ともあれ、人生のバランスシートというか収支決算書を作成してみた場合、酒による負債というものが、加速度的に大きくなっていることがわかります。酒によるマイナスは単に金銭的なものだけではなく社会的なものも大きいということが以前から語られていましたが、そこの部分がさらにものすごーく大きくなっている。バランスシートの右側に、酒が占める割合が大きくなっているということですよね。繰り返しますが「未成年のいる酒席に参加した」だけでアウトなら、その割に合わない感半端じゃないですよ。
酒やめて正解ですね。やっぱり（笑）。
