酒やめて、2604日
西丸震哉説は否定はされているが……
少し前ですが鳥山明さんが亡くなりました。昭和30年生まれだそうです。訃報を聞いて、私は「昭和30年代生まれプロブレム」なるものを思い出してしまいました。私も昭和30年代生まれです。そしてそのように明確にネーミングされているわけではないけれども、私の同年輩の人間はみんな知っています。すなわち、昭和30年代生まれは早死にするということです。
このことは西丸震哉さんが言い出したと記憶しています――今、調べてみると、西丸さんが主張していたのは「41歳寿命説」というものです。我々の間で言われていることよりももっと過激であり、今では否定されているそうです(参照「食品添加物と、当たらなかった「41歳寿命説」」)。
ただし否定はされていても、昭和30年代生まれが育った頃は人工着色料などに対する規制がないに等しいか今よりもずっと緩かったので、それが蓄積されて寿命を縮める可能性は否定できないというふうに少なくとも我々世代の多くは信じているのですよ。
また私の周囲の同年代の人間にエビデンスは限られるのですが、〇〇さん死んだよみたいな話はポチポチ聞くようになりました。死因は様々ですがやっぱりガンが多いです。ALSという人もいました。
ちなみに私の父親は昭和11年生まれで今は87歳で、だから自分も80代半ばぐらいまでは生きるのかなあと漠然と感じもしますが、いやいや昭和30年代生まれの場合はそうではないぞとも考えます。
このブログで何度も書いていますけれども、私自身は一昨年、肝がんの可能性が高いと宣告されまして、結局、良性の腫瘍だったのですが、そのときに過去の飲酒歴との相関関係はわからないと言われました。ただ、そうしたことは「百年殺し」のように効いてくるのかなあ、とも思います(参考「断酒して長いのに肝がん(仮)になるとか、やっぱり飲酒習慣は「百年殺し」ですよ」)。なので成長期に身体に入れたものだって、なんらかの影響は与えるのではないかと。医学的なことはむろんわかりませんが、わりにみんなそれを信じています(しつこい)。
むろん長生きがいいわけでもなく、80代半ばまで生きるのが当たり前の今の高齢者世代とは異なり、我々世代(以降)は社会保障もはなはだ心もとなく、ガンで死ねれば準備ができるからいいみたいなこともよく語られるところではあります。貧困ベースで悲惨な老後を送るよりは、終活を入念にした上で早く死んだほうがいいという考え方も当然あります。
酒で喪われた体験を取り戻すのだ
ただ、ですね、やっぱり思うのは、やりたいことをやって死にたいということですよ。
私のようにある程度歳いってから断酒した人間は、この想いが非常に強くなります。なぜならばそれまでの人生において、やりたいこと、やっていることは酒飲むことだけで、それ以外のことに対して耳目が封印されていたからです(おおげさ)。そして酒をやめてから初めて、ああいろんな体験というものができるんだなあということに思い当たり、それをある程度が楽しめるようになり、身体が動くうちにもっと楽しみたいと考えるようになった。
そこへもってきて「昭和30年代生まれプロブレム」がある。早死するまでに(?)やりたいことをやるという思いがいっそう強くなります。
私のちょっと上の世代の先輩ですけれども、ああ俺に金と暇があればなあというのが口癖のような人がいて、それでいてお酒を飲んでいたりします。つまり酒を飲んでいるとやっぱりお金も暇もあまりできなくて酒飲むしかできない人生になってしまいがちです(オンリーワンエビデンスですが)。
むろん私もそのような人生を送ってきたので、これからの人生は、「昭和30年代生まれプロブレム」があることを考えると、そしてそれを自分の周囲において見せつけられていると、1秒たりとも無駄にできないと考えます。ますますもって酒なんか飲んでる場合じゃないです。
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