酒やめて、1075日。
「節約すると貧乏になる」という説があります。たとえばマネーライターの牛堂登紀雄さんの意見(参考「節約は貧乏への最短コース? そのデメリットとは」)が有名ですね。このことには、牛堂さんも書かれている通りいろんな側面があり、一方で反対意見が多いのも事実です。そりゃそうですよね。節約は、お金をためるための王道というふうにとらえられますから。そういえばリンボウ先生こと林望氏の著作に『節約の王道』があります。これについては後で触れます。
節約は未来につながらない!?
ただし、節約するなら時間コストに対する意識を持たなきゃいけないというのは、大いに共感する部分ではあります。たとえば10円安い卵を買いに行くのに遠いスーパーに行って、時間を使ってしまうのは馬鹿馬鹿しいといったようなことです。
これは一人暮らしの人の暮らし方にも通じる話だと思います。一人暮らしの場合、自炊をするのか外食あるいは今流行の中食をするのか、といった選択肢があります。一般的には自炊の方が安い=節約になると言われています。
ただ、これも節約貧乏理論でいけば、そこにかかる時間と労力を考えた方がよいと思われます。ぶっちゃけ、自炊にかかる時間と労力を他のことに振り向け、それが生産性の高いものであればそっちの方がいいということです。
この辺のことは私にもよくわかります。
私は食事については自炊したり外食したり内外まちまちですが、ただ、シャツなどはすべてクリーニングに出しています。アイロンの時間が家事のなかで一番もったいないと思うからです。業界の方には申し訳ないのですが、クリーニング代はブラックと言われるくらい安いですし、シャツにアイロンをかけるのはとても難しく手間も暇もかかる。この時間とクリーニング代の安さを突き合わせると断然「外製」です。一度クリーニング屋のおばちゃんに、ポロシャツはねえ家で洗っても同じだよ〜と言われたことがありますが(笑)。
余談ながら、アイロンは火事リスクが高いことも考慮したほうがいいでしょう。私はその手の日常生活におけるリスク管理が非常に苦手でして、またそれを非常にめんどくさく思っています。タバコをやめたのも酒をやめたのも、このリスク管理から解放されたい気持ちもありました――というか結果としてそうなったのですが。酔っ払って寝落ちして火を出しそうになったこともありましたし、また飲んで電車で帰る場合は当然、ホームや階段から転落~みたいなリスクも管理しなきゃならない。それが面倒だったのです。
酒はブラック企業以上にブラックな存在!?
ともあれ、自分の時間コストを考えることは、今後ますます大事になってくると思います。自分の時間を使って自分自身を向上させなければならないからです。
そう考えると、終身雇用ではない今、いわゆるブラック企業で働くことがいかに人生にとってマイナスかが分かりますよね。将来に対して布石を打つべき時間を企業に奪われてしまうのですから。単純に残業代がもらえないとかそういう話でもないのです。
そのように論を進めていくと、ブラック企業並みかそれ以上にブラックな存在があることに気づきます。そう、酒です。お酒を飲むことは、時間コストを考えると最悪です。
最後にリンボウ先生の『節約の王道』ですが、これは単純な節約のススメではなく、ダンドリくんのダンドリ(参考「ライフハックを追究するなら、断酒は必然!?」)と同じく、節約というものを人生を美しくするための哲学に昇華させているのがポイントです。そしてそこに時間コストを盛り込むこともまた「王道」でしょう。リンボウ先生が提案しているのは、イケてる節約ですから。
さらにリンボウ先生は、一番の節約術は「健康」だと説いています。だからこそ、酒やめよう、でもありますよねー。