酒やめて、１１５５日。
緊急事態宣言が今日明日にも出そうな昨今、もし今でも酒を飲んでいたらということについて考えてみました。断酒の良さを、こうした状況のなか確認するのにも役立つのではないかと（笑）。
デスペレートな気持ちで飲んだくれる！
正直、緊急事態宣言が出たらどうなるのか、今の外出自粛要請とどのように違うのか、よく分かりません。そして現在のところ、私もおおむね自粛要請に従っているつもりです。ただしどうしても人に会わなければいけないときは、なるべく知り合いがやっているお店にしています。でもその限りでは、客が激減しているというふうには見えないですね。それを「若者が夜の街に集まってウイルスを撒き散らしている」とする向きもありますが、もちろん私は若者じゃないけど、若者だけに責任を押し付ける風潮はどうかと思います。ジジババもかなり出歩いていますよ。今日、銀行に行ったら、ＡＴＭコーナーはジジババで溢れかえってましたもん。もしかしたらお金が下ろせなくなるとメディアが煽ったのかもしれないし、緊急事態宣言に備えて買出し買いだめ資金を下ろしにきたのかもしれません。やる気、まんまんやがな……。
メディアといえば、一方で「街はゴーストタウン」と煽り、一方で「若者が夜の街に集まりクラスターを引き起こす」とする矛盾報道で、要するに信用ならないのですが、もし飲酒時代なら、私はそんなことは関係なく毎晩飲みに出かけていたかもしれません。そしてわいは日本経済に貢献しているんやでえと悦に入っていたでしょう。私の場合、アル中晩年は一人飲みがほとんどでしたので、防疫マナー的にもあまり問題はなかったかと（言い訳）。そして、アル中が感染症に接したときの決まり文句「消毒消毒」と放言していたでしょう。
さらに罹患したら罹患したでそれで良いと思っていたと思います。というのは、アル中というかアルコール依存症はどこかで死に場所を求めているからです（参考「「俺なんかいつ死んでもいいんだ」症候群から抜け出した朝のこと」）。
私の知り合いにもいますよ、アル中ですけれども。６０歳くらいでちょうどよく死にたいと常々言っている人間が。
つまりですね、過飲酒者はすべてにおいてデスペレートなのです。これまでも書いてきましたが、もうどうにでもなれー！という気持ちがものすごーく強いのです。ですから世界が滅ぶのをどこかで待ち望むような心持ちになります。自分が滅ぶのを本能的に知っていますから、みんなを道連れにしたいという、きわめてゲスな考えですね。
ゲスと言いましたが、でもそんなに計算高いものではないのです。本能的にそう思ってしまうということです。なおさらタチ悪いか（笑）。
で、さらに考察を進めると、緊急事態宣言が出たらさすがに外飲みは無理でしょうから、その分、宅飲みに力を入れるでしょう。酒抱えて家に篭る、そして何事も成すことなく無駄に生きたなあと酔った頭でぼんやり考え、自分と世界が滅びるのを待つという「酔生夢死」を地でいっていたと思われます。
納骨堂で盗み酒！？
ところで今、スーパーなどを見る限り、米やパスタやパンや水などに比べると、酒のたぐいは欠乏感はないです。しかしこれも緊急事態宣言が出ればどうなるかわかりません。なのでその前に大量に買い込むということになります。ただ、アル中は家にあればあっただけ飲んでしまうので、計画的な備蓄はなかなかできません。
で、酒がなくなり、そしてスーパーの棚にも酒がないということになったらどうするのか。アル中にとって酒がないというのは、もう自分の存在意義がなくなったようなものですからね。これは本当に大問題です。「酒がねええええええー、酒をくれえええええええええ」になります。当然ながら。そうしたとき、私の頭に浮かぶのは一つの場所です。
現在、わが家は墓をやめて納骨堂にしています。そして、そこは知る人ぞ知る酒の宝庫なのです。つまりお供えの酒が大量にあがってるわけです。以前はお参りに行くたびに「ごくりっ」となっていました。墓のお供えの酒は外に置いてあるものですからさすがに手を出す気にはなれませんが、納骨堂の酒は“清潔”です。
納骨堂は電子カード式なので、そこに納骨している人なら誰でも入れます。管理人などはいません。どうにでもなる（？）のです。だから、他家がお供えした酒に手を出していた可能性大です。
で、そういうシステムだけに、盗み酒事件が相次げば容疑者はすぐ特定できます。結局捕まって、「アル中男、緊急事態宣言で酒が手に入らず納骨堂に侵入し盗み酒！」みたいなニュースを世間様に提供していた可能性もあります。そうすると家族も世間様に顔向けできないでしょう。
そのように考えを進めると、やはり酒やめといてよかったになりますね。緊急事態宣言前に。
