酒やめて、1106日。
アル中大先輩である太宰治先生のアル中物語である『人間失格』の冒頭(第一の手記)の一節は、とても有名です。
恥の多い生涯を送って来ました。
メンタル弱いがゆえにアル中になった
太宰先生は、アル中大先輩であると同時にメンタル弱い大先輩でもあります。そしてアル中とメンタル弱さは当然ながら密接に絡み合っています。メンタルが弱くて物事に向き合うのが怖いから、酒に逃げてアル中になってしまうのですね。
私も自他ともに認める弱メンタルの持ち主です。だから上記のような理由でアル中になり、そして、まさに恥の多い人生を送ってきました。
で、断酒した今、いやーもう断酒3年超えましたよキリッとしていると、お前みたいにメンタル弱いヤツがw という反応をよくされます(笑)。
でもですね、断酒3年超えてつらつら思ったりするのですが、私のなかではメンタル弱くてアル中になるのと、メンタル弱いのに断酒が続くのは、なんというかベクトルの向きが同じなんですよね。それが、なんとなく最近わかってきました。
ですからこれを応用すれば、メンタルが弱いがゆえに酒をやめられる、そして断酒を続けられるという理論(?)を展開できるのはないかと。メンタル弱いと自認し、それゆえに呑んだくれている皆さん、さあお立ち会いですよ(笑)。
メンタル弱いとは「自分大好き」でもある。だから……
この理論(?)の柱は二つあるのですが、まず実生活編から行きます。
酒を飲んでいると、そしてアル中状態に近くなっていくと、現実問題としてトラブルに巻き込まれやすいわけです。そうするとメンタルが折れるときがとても多くなる。太宰さんもそのようでした。
メンタルが弱い人間にとって、酒のある人生は逃げ口がある一方で、実生活上で辛いことが多々生じてしまう。普通よりも傷つきやすい人生になってしまいがちです。
で、ですね、私の経験からすれば、酒をやめてからトラブルに巻き込まれることはまったくなく、こころが傷つくこともなくなりました。
ただここまでは、実利的側面に過ぎません。本当に重要なのはこれからです。
メンタルが弱いというのは、傷つきやすいということですよね。で、なぜ傷つくのかというと、結局、自分が好きすぎるからですよ。極端な話。太宰さんなんか、まさに「自分大好き」「だから傷ついちゃう」の大家でしょう。
で、そういう自分が好きすぎる人が酒をやめると、もうこれが本当に自分が好きで好きで好きすぎて仕方がなくなります。
ただでさえ自分が好きなのに、断酒している自分がもう大好きで愛しまくります。そしてそれがものすごく大きなセルフエスティームを醸してくれるのです。他者からの承認などまったく必要ありません(参考「セルフエスティームをアップさせるための、一番簡単な方法」)。
これがメンタル弱い人ほど断酒しやすい理論の核心なのでございます。まあ試しにやってごらんなさいよ、としか言いようがありませんが。