酒やめて、1174日。
以前「僕たちは今まで、あまりにも自由を謳歌しすぎた?」ということを書かせていただきました。確かに戦後の自由と民主主義はここにきて行き詰まっていて、それとまったく反対のことをやってきた中国がアメリカと覇権を争うようになっています。そのライバルたるアメリカは自由と民主主義のアイコンを長らく務めてきましたが、トランプ政権のもと「もーそれ、損ばっかりやわ」と主張していますよね。
コロナに対しては「規制」しか打つ手がない
そうしたところに持ってきて新型コロナウイルスです。ワクチンがない今、もう「規制」しか手立てがないのが現状です。
アメリカと中国が没落するであろうポストコロナにおいて、世界はどこがリードするのか、もっと言えば、どこが覇権に近づくか、ということが焦点になっていくかもしれませんけど、当然、コロナで国力をあまり損なわなかった国がクローズアップされる。そしてそれは「規制」が上手くいった国とニアリーイコールなのではないでしょうか。
近代市民革命以降、基本的には「自由」へと突き進んできた世界をして、コロナという感染症が「規制」の方向へと舵を切らせる。より多くの人にとっての最適解をもたらす規制であれば、迷わず実行される。そういうふうに世界と人類は進むのかもしれません。断酒ブログが、ナニ、大それたこと言っているのか、と言われればそれまでですが(笑)。
ただ日本においても「規制は悪だ」「自由こそ至高だ」と声高に叫んでいた戦後すぐ生まれ世代がだんだん退いていくでしょうから……、いや、まあお元気ですけどね(苦笑)。しかしその下の世代はわりに規制に対して抵抗がないと思われますので、やはりそういう方向に向かっていくかもしれません。
以前も書きましたが、たばこ規制はびっくりするほど早く浸透しました(参考「禁煙と断酒を並べてみると、そのやめるメリットがよくわかるよ!」)。それはやはり副流煙が他人の健康を侵害する、ということで、ヨーロッパの徹底した個人主義に合致したからだと思われます。
個人的には、世代別の、他者との関係の認識って、以下のように分類できるのではないかと思っております。
①おジジ様おババ様世代……「迷惑かけっこ。お互い様ね」
②「自由と平和ダー」世代……「他人からの迷惑は許さん! 俺のはま、大目に見ろや」
③現役世代以下……「私に迷惑かけないでね、私も絶対かけないから」
で、③が多くなると、規制はわりに受け入れられやすいものになるのかと。
ポストコロナの酒規制の行方は……?
ともあれコロナは「自由」よりも「規制」だよ、と言ってしまった気がします。たとえば外出自粛の影響でDVが世界的に大問題になり、そうしたなか、ロシアでは酒の販売規制が行われているといいます。
おそらく今後、防疫以外の面でも規制が強まる世界になるはずです。そうすると、酒に対する風当たりはさらに強くなり、それは酒を飲んでいる個人に対する風当たりとなりそうです。
ましてや今はネットによって直接民主主義に近いかたちになっている時代です。なにか酒がらみのインパクトある事件が起きたら、なだれを打って政策変更なんてことは、今回の給付金の右往左往を見ても明らかであり、これはなにも日本だけのことではないでしょう。
で、私のアル中時代を考えると、あるとき突然、酒規制が持ち出され、そして酒に関して非常に不自由になってしまったら、と思うと、冷や汗が出る……、なんて甘いものではなく右往左往、七転八倒でしょうね。
もちろん規制といっても、酒の広告規制なんてものは痛くもかゆくもありませんし、またタバコのパッケージのように、酒の缶やボトルに肝硬変の写真が掲載されたとしても、あまり気にしないと思います。ただ問題は販売時間の規制ですね。たとえば夜11時以降の酒類販売禁止になったら、備蓄すればしただけ飲んでしまうアル中は、とても困ってしまうのです。
繰り返しますが、ポストコロナでは、社会のあらゆる局面で規制が強化されると思われます。「自由と平和、ナニソレタベラレルノ」の世界になるかもしれません。
そうしたなか、ポストコロナをサバイバルしていく上でも、酒という「不自由」をいち早く捨てた我々断酒者は、アドバンテージを持っていると、まあ都合よく考えているのですが(笑)。