酒さんの「生存戦略」は金融屋に似ているよね、という怖い話。

酒やめて、2248日。

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金融屋は「利息」で稼ぐわけじゃない!?

以前も取り上げましたが(参考「バー経営者は酒を飲まない。金融屋は金を借りない」)、Kindleアンリミテッドで『ナニワ金融道』の一連のシリーズがフリーなので結構読み込んでいます。そこで感じたのは、この話の舞台である帝国金融という金融屋は、お金を貸して利息をとってそれで商売を成り立たせているわけではない、ということです。そうではなくて、最初にお金を貸す段階から客をとことん追い込み根こそぎ奪おうと企図し、それが企業としての生存戦略になっています。

これは結構意外でした。一般に金融会社は、銀行もそうだし大手の消費者金融もそうだと思うのですが、お金を貸して利息を取ることがビジネスモデルになっている。もちろん、それで破綻する人もいて(私の周りにもいる)、また銀行でもかなりエグいことをやっているそうなので、その意味では危なさもありますが、ただ基本的には貸す側は利息を得、借りる側は大きな買い物ができたり急場をしのげたりという、ウインウインと言ったらなんですが、そういう関係が成り立っていて、それが一応の世間の常識でしょう。

しかし帝国金融は違う。帝国金融は、いわゆる闇金ではありません。にもかかわらず「根こそぎ奪う」ことを企業の生存戦略(=「しのぎ」)にしていると物語の中でなっています。

もちろんこれは「お話」ですし、そういう金融屋としての戦略に対して、大阪一の金融屋になることを目指している主人公の灰原達也が葛藤するところがストーリーの一つの軸なので、設定上の必然と言えば必然なのかもしれませんが。

酒さんの戦略は、悪徳金融屋よりタチが悪い!?

さてタイトルに書いた通り、酒さんの「生存戦略」もこの『ナニワ金融道』に出てくる金融屋とまったく同じであります。つまり飲む人から根こそぎ奪い、最終的には滅ぼそうとするというものです。それまでにいかに自身を飲ませるかがキモであり、悪徳企業活動そのものの戦略であります。

そして以下のように考えることができると思います。

①人生に彩りを与えるための酒=金融会社の適正利息

②人生を滅ぼすため酒=金融会社の根こそぎ奪う戦略

でもって飲酒の場合、①から②へと移行しやすく、酒さんは最初からそれを狙っているということですよ。

何よりも①における間口は、銀行や大手の消費者金融でお金を借りるよりもずっとずっとずっと低い。人間はどういうかたちであれ借金するのには抵抗がありますが(ない人もいるけど)、酒を最初に飲むのに抵抗を感じる人は、少なくともこれまでの時代はあまりいなかったでしょう。なおかつ、それは場合によっては「推奨行為」でもあった(今後は変わっていくでしょうが)。さらに②における破壊力も、それこそ『ナニワ金融道』に出てくる悪徳金融屋にも匹敵するということで、酒の有する本質的な恐ろしさをもう一度確認しておきたい次第であります。

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