バー経営者は酒を飲まない。金融屋は金を借りない。

酒やめて、2164日。

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客からのゴチ酒が売り上げになるというのに!

このブログには何度か登場させたことがありますけれども、私の高校時代の友人にバー経営者がいます。そして彼は酒をあまり飲みません。私が飲んでいた時代は付き合ってくれていたのですが、飲まなくなってからは、私が飲まないのなら自分も飲まないといったタイプです。

もちろん、なにしろバー店主ですので、お客さんから勧められることはよくあるそうです。ただしその時は、いやクルマで来てるんで、と言って断るといいます。実際、仕入れの関係もありクルマで店に行く時が多いらしいのですが、そうでないときも、です。飲めないわけではないけれど、店ではいっさい飲まないのです。

飲まないでお客さんを観察するといろんなことがわかってくるそうです。このお客さんは長く通ってくれそうだとか、一回に使う金額は大きいけれども常連にはなってくれないだろうとか。そしてその予想精度(?)はかなり高いというのですね。

このあたりは、断酒者が飲み会に行って酔っ払いを観察するとおもしろいということにも通じるかもしれません。ただし件のバー経営者の場合、単におもしろいとか興味深いとかでなく、経営上役立っていることがポイントかと思われます。

いやしかし、これにはほとほと感心しましたよ。大昔からの付き合いでてっきり私と同じレベルの馬鹿だと思っていたのに、そうしたレベルに到達しているとは。

というのは、私なんぞは、飲酒時代はやっぱり彼みたいにバーやりたいなと思っていて、なぜかというと、客からおごってもらう酒が売り上げになるんだから、もうこりゃプルトニウム原発と同じ理屈の、ある意味永久機関(?)やんと考えていたからです。そして客の振る舞い酒を飲まない彼のことを、もったいないことをする男だと、内心、馬鹿にしていたのですね。まったくの愚か者です。

飲酒は被搾取への特急券!?

さて、なぜこのようなことを書くかというと『ナニワ金融道』です。

Kindleアンリミテッドの無料読書対象になり(以前からかもしれんが、私は最近知った)、結構興味深く読んでおります。金融の勉強にもなりますしね。

大昔、『モーニング』連載時にも読んでいたのですが、金融知識について感心した記憶がないので、単なるストーリーとして漫然と読み流していたのでしょう。むろん、そのような読み方でも秀逸なコンテンツには違いありませんが。

その中で、主人公の若手金融屋の灰原達之が、ふとしたきっかけで始めた副業(ティッシュ配り)が勤め先の上司に見つかり、他で借金していないか、顧客管理で下手打ってないか徹底的に調べられるエピソードがあります。

ここに私は感心してしまったのです。金融屋にとって借金はご法度なのです。この漫画の、もう一方の主人公は借金して破滅していく人々ですから、借金ご法度の金融マンとの対比が鮮やかで、それに、酔客と飲まないで酒を提供する店主を重ねあわせてしまったのです。

なにが言いたいかというと、世の中には搾取する側と搾取される側があり、そして搾取する側は搾取されない側に回らないよう常に自らを戒めているということです。

そして当然ながら飲酒は搾取される側の行為で、借金を呼び込む一大要素でもあると考えれば、そちら側に行ってしまう特急券ということも言え、こうした観点からも改めて自分を戒めたいのであります。

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