酒さんは一時的に夢を見せてくれるけど、永遠に見せてくれるわけではないよね、という話。

酒やめて、2670日

ギリギリ状態でも超有能ぶりを発揮できる!?

ちょっと前ですが、水原元通訳の公判が始まりました。水原氏に対して日本のメディアは「何か言うことないのですかあ~」連呼で相変わらずですね。出張先のテレビなどでそのような光景に接すると、やっぱりテレビの中だけは旧弊なんだなあと思ってしまいますし、衰退の象徴でもあるのでしょう。

それはともかく、水原氏は通訳としてあるいはマネージャーとして非常に優秀で、大谷選手から絶大な信頼を得ていたことも知られています。

ギャンブルでニッチもいかないようになって、犯罪を犯しているという自覚がありながらも仕事ではその優秀さを発揮し続けていたわけですよね。本人の心の中でどのように「仕分け」していたのかはもちろん存じ上げませんし、あるいはそのような性格だったのかもしれません。

似たような例として、私の友人の仕事の発注元であった新聞社のデスク氏が挙げられます。友人から話を聞くとこの方は、デスク(こちらは物理的な存在としてのデスク)の引き出しにポケットウイスキーを入れておくような、要はアル中ですが、一方で仕事ぶりは非常に優秀で、原稿も超絶上手であり、友人に対するディレクションも常に的確だったそうです。

件の友人は、あの人どうしてるかなあなどたまに思い出しているようですが、名前も見ないし、少なくとも現役バリバリというわけではなさそうです。

と、このように強度の依存症に陥りながらも、それはそれとして仕事などで超絶有能ぶりをを発揮する人がいます。ある種の天才なのかもしれません。

継続イコール安定イコール能力なのかと

ひるがえって私のような超絶凡人でも、with a little help from my friends の原理が働くことがあり、仕事しなきゃいけないのにそこから逃げるように酒飲んで寝落ちし起きてみたら仕事が八割がたできあがっていた、などという奇跡のようなことも過去にありました。

私の場合は、神が降ってくるみたいなそんないいものではないんですけれども、ただし酒さんが覚醒させてくれたこととして、奇跡にも関わらず成功体験として記憶に残り、「夢をもう一度」をそれこそ夢見たりしていました。このあたり、日露戦争の奇跡の勝利が成功体験となりそのまま太平洋戦争敗戦という破滅へと突っ走ってしまったかつての日本に似ているかもしれません(比べるのもナンですが)。

ともあれ奇跡は奇跡であって、いつもというわけにはいきませんし、依存症と仕事の共存は長続きしません。水原氏にしても新聞社デスクにしても、いつか破綻するわけです。期間限定の有能です。

酒は一時的には夢を見せてくれるけど、その夢は続かないということでもあります。

一方で高校の教師などは「継続は天才に勝る」などとよく言っていましたが、これねー、今ならヒジョーによくわかるわけですよ。継続は凡人の最大の武器です。

ただし、飲酒はその凡人の唯一といっていい武器の「継続」とめちゃ相性が悪いです。唯一の武器を奪います。当然ながら。

「継続」というのは安定しているということにもつながり、それを実現する一つの方法、そして誰にでもできる方法は、断酒して生まれるある種の諦観のもとに坦々にして淡々と仕事をする、あるいは生きていくことなのかなあと考える断酒erなのであります。

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