自分が好きなことをするためには取捨選択しなければならない、その中で酒をどう扱うか、ということですよね。

酒やめて、2016日。

crossroad

サーフィンを続けるために酒飲まないと、レジェンドサーファーは言ったのだった

ちょっと前ですが、たまには一緒にサーフィンしようやということで、学生時代からのサーフィン仲間の唯一の生き残り(もちろん現役のサーファーとして、ですが)と一緒に海に入りました。

そいつは、大磯の老舗サーフショップであるDサーフボードのユーザーであり、そのオーナーでレジェンドサーファーのAさんの知遇を得ているのですが、帰り道のクルマの中でこんな話をしたのです。

俺がさあ、Aさんていくつになったんですかって訊いたら73だってさー。それでよくまだ現役でいられますよねーて驚いたら、節制するところは節制してるからねーて言うんだよ――。

つまりその73歳レジェンドは、今も、そしてこれからもサーフィンするために、もちろんトレーニングもしているのですが、生活全般に気を配り酒も飲んでないとのことなのです。

で、できれば70歳までサーフィンしたいジジイ二人組は、なるほどねーと感慨深くしたのでした。

ちなみにその友人は機会飲酒者でして、にも関わらずというか、だからこそというか、バーを経営しているのですが、お客さんから薦められても絶対に飲まないそうです。

さすがですねー、機会飲酒者。実はアル中時代の私も飲み屋やりたいなあとか考えていて、それだったらお客さんからゴチになれるし、それを売上げに計上できるし一石二鳥やー、とか、わりとマジに算段(?)していて、まあ愚か者の極致ともいえる存在ではございました。

誰にも「そのとき」が必ずやってくるということですねー

それはともかく、Aさんの話はいろいろ示唆するところが大きいように思います。

もちろん若いうちは酒を飲んでいてもサーフィンすることだってできるでしょうし、サーフィン後のビールが美味しかった時代もありました。

でも人生晩年になってくると、サーフィンに限らず、仕事も含め自分にとって大切なことを続けるために、別の何かをあきらめなければいけないという当たり前の事実に気がつくわけですよね。

A御大の場合、大切なことがサーフィンであり、だから酒をやめたというかたちですが、ひるがえって私の飲酒時代は、酒を飲むためにいろんなことを犠牲にしていて、それが自分らしく生きることの否定にもつながっていたのに、そこに気づいてなかったという状況でした。

今でこそ酒は人生の選択肢のうちの一つであり、それをやめるもやめないも、こちらがイニシアチブを握ってなきゃいけないということがわかったつもりになっていますが、アル中時代は、酒が唯一無二だと酒によって思わされていたわけですよ。

でもって酒をやめてみると、酒の外に広がっている世界というのが存外大きく貴重だということがわかって、それと酒をトレードできるかどうかということですよ。そしてもし酒を選んだ場合、まあ酒だけになってしまう。ジジイになると、その岐路に立たされているという実感がマジあります。どっちを選ぶかは自明ですが。

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