酒やめて、１２３２日。
「１時間飲み放題９８０円」とか！
今、長期出張中で博多にいます。で、一仕事終えて駅からビジホに歩く途上、元アル中の吟線に触れる情報を視界の端にとらえました。ムムと思ってその情報発信主のチョークボードに目をやれば「１時間飲み放題９８０円」との文字が躍っています（踊っているように見えた）。つい、ふらふらと……とはさすがになりませんでしたが、アル中時代だったら、よーし飲んで飲んで飲み倒して店側をひーひー言わせたるでえ、くらいは考えたでしょう（品がない）。
いやしかし、さすが博多、気風がいいなと思いつつ、その店の店名を確認したら二度驚きました。「ＰＲＯＮＴＯ」とあったのです。あの、全国チェーンでサントリー（ＵＣＣとの共同出資）がやっているプロントです。
ただ、プロントがチェーンとしてそうした施策を行っているとは聞いたことがない（断酒してるんだから当たり前といえば当たり前ですが）ので、たぶん、博多のお店の独自施策なのでしょう。やっぱり博多は、なんというか酒飲みオリエンテッドな街なんだなあと感慨を新たにした次第です（おおげさ）。
その前日でしたか、地下街を歩いているとエビスバーがあってカウンターは地下街通路から丸見えなのですが、若い女性がひとりでカウンターに座って、フロートグラスに注がれたファインピルスナーの生ビールをくいっと飲っていました。博多のおなごは粋ばいっと、思わず、うなってしまいましたよ。
ま、こうしたことは「粋」で済むのでしょうが、あまり洒落にならんなーという光景を目撃したことがあります。
飲酒時代も博多に出張で来る機会は多かったのですが、当然のように行きつけの立ち飲みせんべろもありました。
あるとき、そこで夕方かなり早い時間から一杯やってると、ベビーカーを押したお母さんが入ってきてビールをオーダーしたのですね。さすがにこれには、アル中（当時）としても虚を突かれました。「博多のおなごは粋ばいっ」で済むのか済まないのか。ま、余計なお世話ですけど（笑）。
ただ、そんなことをつらつらと考えていると、昨日、断酒友のぽんちゃんが「こんなのあったでー」と、ツイッターのスクショをＬＩＮＥしてきてくれました。氷結にアイスの実を入れたレシピです。
しかし断酒しているのに、こんな報告をしてくれるなんて、彼もなかなか業の深い人生を送っとるなあ、と、半ば嬉しく感じていたら、言い訳のように後で「ストロングチューハイ＆アイスの実だなんて、２０代女子をアル中にさせる以外の何物でもないでしょ！」と言ってきました。
それにしてもですねー、「１時間飲み放題９８０円」といい、エビスバーの一件といい、せんべろベビーカーママといい、氷結＋アイスの実といい、こんなにも飲酒、とくに女子飲酒への入り口がカジュアルでいいのか、ということですよねー。ま、重ね重ね余計なお世話ですが。
女性は「断酒して綺麗になろう」もありですね！
ただ、断酒友も私も娘がいるので、あながち他人事でもないんです。
女性は男性に比べて肝臓が小さく、その「耐性」も低いですから、男性よりもはるかに早くアル中、というか依存体質になってしまうといいます。
加えて、女性特有の生真面目さもあるのでしょう。「物事に真面目に対処しようとすればするほど酒にとらえられる」理論（参考「物事に真面目に対処しようとすればするほど、酒にとらえられてしまう罠」）は、女性にこそ適用されそうです。しかも、その生真面目さゆえに、とくに対人関係でストレスを感じてしまうことが多く、それでアルコールに走ってしまう例も多いと聞きます。
アル中→断酒者（最近はまた飲んでいるとの噂も）の美人漫画家まんきつさんも、やはり講演など人前に出るときに酒の力を借りていたといいます。そしてそのような場面で、一度、事前に酒飲んでストレスを感じなかったりすると、あっという間に酒の魔界に取り込まれてしまいます。
一方で、当然ながら「酒やめて綺麗になろう」が実感できるのも女性でしょう。峯岸みなみさんが禁酒を続けていて、「断酒アイドル」として断酒者の間の激狭ニッチ需要に応えてくれていますが、やはりしゅっとして綺麗になってますもんね（参考「アイドルにも断酒ムーヴメント！？ ＡＫＢの峯岸みなみさんが先陣を切ったか」）。
かつて女性誌のａｎａｎは、昼飲みのメッカである吉祥寺の焼き鳥屋「いせや」に外人モデル連れてきてそのシーンを表紙にし、我々アル中に「いせやもお洒落なんやー」と、ある種の勇気を与えてくれましたが、今度は「断酒して綺麗になる」特集でもしてくれんかしら、と思う今日この頃なのでありますよ。余計なお世話ながら。
