酒やめて、3011日
酒の代替としての甘いものがあるが……
タイトルですが、「ガンマの数値が大丈夫だから酒を飲んでもいい」は飲酒者がよく口にするところですよね。残念ながら飲酒時代、私はそのような発言をしたことがありません。ガンマの数値は常に高どまりでしたから。
で、このような肝臓の数値だけを基準に酒を飲むことの危険性は、昨今ではよく指摘されるところです。飲んでも飲んでもガンマGTPはじめ肝臓悪化指標の数値が上がらない人は、いわゆるエリート肝臓の持ち主といって、肝臓は大丈夫かもしれないけれども、長年飲酒を重ねていくうちに脳がやられてしまう。肝臓がやられるよりもヤバいというわけです。
それでは、タイトルのもう一つについてはどうか。
「血糖値の数値が大丈夫だから甘いものを食べてもいい」は、断酒erにとって切実な問題であり、私も直面しているところです。
酒をやめると、甘いものを食べたくなるのは万人に共通したことです。私も猛烈にそうでありまして、それは今も続いています。
私の場合……というか、あるいはみんなそうなのかもしれませんが、アル中時代は血糖値を飲酒によって維持していたという部分がありますので、飲酒がなくなるとやはり甘いものを求めてしまうのです。
このことについて、これまたよく言われるのが「酒を飲むよりアイスクリーム100個食べたほうがいい」です。断酒界隈でよく知られた名言です。これはむろん、酒を飲むことの危険さを表現しています。また酒をやめる、いわば一里塚として、そのように甘いもの大量食いし、だんだん減らしていけばいいというメソッド(?)とも言えるでしょう。
「キリスト様でもそんな残酷なことはおっしゃらなかった」
でもまあ、これが減らないんですよ。酒をやめて何年経とうが、やはり時として狂おしく甘いものを摂取したくなります。それは私の場合、私にしては珍しく頭を使う時ですね。
これには科学的な根拠があって、脳がブドウ糖を必要とするからです。ただし、そうした局面で恐ろしいのはアル中と同様、脳に回路ができてしまうことです。甘いものを摂取するとドーパミンが出るというふうに脳が覚えてしまい、いわゆる甘味中毒状態になる……。
せっかくアル中を脱した……かもしれないのに、今度は甘味中毒に気をつけなければいけないとは、まさに「キリスト様でもそんな残酷なことをおっしゃらなかった」@丸谷才一先生状態であります。ただし、アル中と甘中(仮)の決定的な違いは、甘中はこのように考えることができる、分析することができるという点でしょう。
アル中の場合は、回路ができるから気をつけないといかん、という思考にならんのですよ。しかし甘中は、基本的には冷静に自分を捉えることができる。ここがやっぱり似ていて大きな違いであると勝手に考えておりますが。
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