「余命10年」と規定するとすべての行動が変わってくるよね。むろん酒は飲みません。

酒やめて、2846日

岸博幸さんの本は名著だった!

ここのところ食道がんの検査をしたこともあり、「メメントモリ」について何本かエントリを書かせていただきました(参考「酒飲んでると、人生を上手く折りたたむための時間さえなくなってしまうという恐怖」「やりたいことがたくさんあるのに酒飲んでいたらどうなっていたことか。いや、それは逆でした」)。

そこで考えたのは、あと10年生きていたい、ということです。10年あれば一応やりたいこともできて、自分の人生をきれいに折りたためると思ったのです。

そうしたなか、よくしたもので『余命10年 多発性骨髄腫になってやめたこと・始めたこと』という本に出くわしました。図書館で見つけてパラパラと読んでみてこれは必携だと思ったのでメルカリで購入しました。最近はこのようなパターンばかりです。本(の定価)が他のコンテンツに比べて高すぎますもんね。

著者の岸博幸さんはテレビのコメンテーターとしても見たことがありますけれども、元通産省の役人で菅義偉内閣においてブレーンを務めた方です。60歳で多発性骨髄腫に罹患し治療受けながら10~15年生きることを選択したとのことです。

詳しい経緯は同書を読んでいただきたいのですが、そこで興味深かったのは「バケット・リスト」という考え方です。私が漠然と思っていたことを言語化してくれたんやなあ、さすがやなあと、と勝手にシンパシティを感じました。

「バケット・リスト」が頭のどこかにあると生き方が違ってくる!

「バケット・リスト」とは、死ぬまでにやり遂げたいことを作成し、それをこなしていくためのリストです。こうした考え方はたとえ余命10年でなくても、余命5年でも半年でも、あるいは平均寿命以上生きるとしても重要なのではないかと自分の経験と考え合わせて深く納得してしまったのです。

むろん子どもを一人前に育て上げ自立させることが「バケット・リスト」の最初に来る人も多いでしょうし、その順番は年齢や立場によって違うと思いますが、そうしたやりたいこと、やらねばならないことを――それは仕事や私生活双方に関わってくる――常に意識して生きると人生変わってくるように思います。毎日、今日どのように生きるか、ということを「バケット・リスト」に照らしていればかなり違ってくるのではないか、と。

そして断酒ブログ的に言えば、その邪魔するものは当然、酒にあいなります。いつも書いていて恐縮ですが、酒さんは時間と経済力とエネルギー、つまり「バケット・リスト」の実践に必要なものを徹底的に奪います。やりたいこと、やるべきことを遂行するということに関して、ベクトルが真逆の向きに働きます。したがって余命を意識した際に、酒をやめているということは必須条件になると思われるのです。

むろん飲んだくれて「酔生夢死」という選択も魅力的(?)には感じますし、飲酒時代だったら私もそのように考えたことは間違いないのですが、今は、やりたいことをやるべきことをやって死にたいので、当然のことながら酒を飲むという選択肢はなく、余命10年ということを意識したらなおさらです。

つまり断酒していることが、生きていく上で大前提になっていて、とりもなおさずそれは死んでいく上でも大前提になることに改めて思い至るのでございます。

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