社会システムが低所得高資産者に優しいので、それを利用できるライフスタイルをかたちづくりたいよね、酒やめて、という話。

酒やめて、2788日

所得が低けりゃ資産が多くてもオーケー!?

医療費増大がもうにっちもさっちもいかなくなっており、一昨年から高齢者の負担が引き上げられ、さらにこれを拡大しようという議論があります。3割負担だったのは現役並みの所得がある人ですが、そうでない人の負担も増やしていこうということですよね。

そもそも医療費負担が「所得に対して」ということになると、高齢者の所得が低いのは当然で、ただし医療機関を利用するのも高齢者中心になるのも当然といえば当然です。なので、そろそろ「資産に対して」というシステムを導入するべきなのかもしれません。河野“マイナンバーカード”太郎デジタル大臣も、そのような発言をしています(参照「河野大臣 「現役世代の保険料を6割程度まで縮小できる」高齢者世代の中の助け合い促す」)。以前から指摘されてはいましたが、収入は国民年金だけ(しかも年金生活者に対する控除額は大きいので所得額はきわめて少なくなる)だが数億を資産を持っている人が1割負担でいいのか、ということですよね。

この辺も、それこそマイナンバーできっちり資産把握をしていけば上手く機能するのではないかと単純に考えます。こうしたことに関して、メディアは、プライバシーガーとか情報漏洩ガーと言いがちですけれども、こうすれば恩恵を受ける人は確実に増えるでしょう。

というのは、コロナ禍の際「役所がくれるゆーとるからもらっときゃいいんだ」で、もともと資産があるのにさらにコロナ長者となった自営業者がいた一方、コロナ解雇されたアルバイトなど、本当に困窮している人に届かないという状況が現出したからで、このようなことは是正できるでしょう。

そして、こうしたことについて役所を責める向きもありますけれども、結局のところ役所というのは書類が揃っていることが大前提になり、それが明治以来つくりあげてきた官僚的対応であり、社会全体の幸福実現の必要悪みたいな側面はあると思います。

内田百閒先生も、官僚主義たるべしと言っていました。百閒先生は元祖・乗り鉄でしたが、国鉄(当時)は乗客に対して官僚的に対応すればいいという考えの持ち主でした。それでご自身も発車時間に寸前で間に合わず(汽車に乗り遅れまいと走ったりするのが大嫌い)、何時間も待ったりもするけれどもそれはそれでよいというお考えです。

列車が温情で発車時間を遅らせたりすると、その迷惑はすべての人に及び結局社会全体の幸福にはならないということが、そのような官僚主義のベースにあると思われます。

そうした思想が書類主義などにも現われ、たとえば私の友人の若い公務員は、助けるのが役所の仕事だけども書類が揃ってないと助けたくても助けられない、みたいなことは話しています。個別事情はあるにしても、個別には対応せず一律に網をかけるということですね。

「無頼」は明らかに世の中の仕組みに適合していない!

さて、なぜこのようなことを長々と書き連ねてきたかというと、私も酒をやめてなおかつ加齢とともに低所得になって、そのような福祉に代表される世の中の仕組みというものがわかってきたからです。

国の体制として、低所得者には優しいというかちゃんと援助の手が差し伸べられるようにはなっている。しかしそこには、役所に援助を差し伸べさせるための理由付けが必要である。逆に言えば書類さえ揃っていれば、前述の「役所がくれるゆーとるから」みたいな話にもなるわけですよ。ついでに言えば、外国人はそのあたりの情報共有がすごい。

で、何が言いたいかというと、酒を飲む習慣があり無頼に生きていると――もちろん飲酒習慣があっても社会に適合するかたちでまっとうに生きている人も多いでしょうけど、ただ私はそうでなかったし、私の周囲を見ても酒を飲んで無頼に生きている人が多い――先の官僚主義的な世の中の仕組みとはバッティングしてしまうのですね。

例によって文章力のなさで上手く説明できないのですが、百閒先生の顰に習い鉄道ということでいうと、酒さんに魔改造された脳は、ああ俺の前でドアが閉まってしまった車掌が俺に意地悪してるに違いないだから公共交通というのはダメなんだみたいな考えに陥り、すべての事象にわたり、そのような思考パターンになる。その反対に酒をやめると、いろいろ世の中が見えてくるなあ、と感慨深くするのでございます。例によって遅すぎですが。

ともかく、低所得には優しい、そして高齢には優しい、そして高資産にも優しい……というとヘンですけれども、今のところ、高資産だからって固定資産税がかかるくらいで、金融資産をいくら持っていても、じゃあ医療費高くするよ、住民税や社会保障費高くするよ、というふうにはなっていない。だからしつこいようですが、高資産でも「もらっときゃいい」になる。

ですので、低所得でも大丈夫なライフハックを身につけ、なおかつ資産形成を目指すというのが、今の世の中の仕組みに上手く乗る方法であり、その第一歩が断酒になるのではないのか――とまあ、こんなことは今さら私のようなものが言うまでもないことですが、低所得になった(高資産ではもちろんないが)者としての実感としては確かにあります。

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